井出草平の研究ノート

Rosenbergの自尊心尺度


昨日のエントリ(id:iDES:20060420:1145496942)で使われていたRosenbergの自尊尺度。社会学でも使うが、自分には今まで縁がなかったので少し調べてみた。


尺度の和訳などに関してはここが詳しい
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/yomimono/sesteem.html
大田垣ほかの論文では星野命による訳が使用されていた。


昨日は引用しなかったが、摂食障害症例別のスコア表。



上から、拒食症、拒食症(排出)、過食症(排出)、過食症、その他という順番。


ちなみに自分で測ってみると16というスコアが出た。普通は25というような数字が出てくるらしい。著しく低い。何人かにやってもらった所、24などの数字が出た。おそらくこれが普通なのだろう。


使用したのは星野訳*1

1. 私はすべての点で自分に満足している
2. 私はときどき,自分がてんでだめだと思う*
3. 私は,自分にはいくつか見どころがあると思っている
4. 私はたいていの人がやれる程度には物事ができる
5. 私にはあまり得意に思うところがない*
6. 私は時々たしかに自分が役立たずだと感じる*
7. 私は少なくとも自分が他人と同じレベルに立つだけの価値がある人だと思う
8. もう少し自分を尊敬できたらばと思う*
9. どんなときでも例外なく自分も失敗者だと思いがちだ*
10. 私は自身に対して前向きの態度をとっている


この10個の質問に以下の4項目で答える。

1. 強くそう思う
2. そう思う
3. そう思わない
4. 少しも思わない

*(アスタリスク)付きのものは「強くそう思う」=0、「そう思う」=1、「そう思わない」=2、「少しも思わない」=3
*(アスタリスク)無しのものは「強くそう思う」=3、「そう思う」=2、「そう思わない」=1、「少しも思わない」=0


以上のように得点をふって、加算する。



さて、自尊心尺度を測るということからは外れるが、社会学で使う時には単独ではあまり見かけない気がする。

本調査では独立変数として①社会的比較志向性:Gibbons&Bunnk(1999)の作成した尺度を外山(2002)が邦訳したものから 6 項目、②将来目標の有無:都筑(1996)の目標意識尺度の「将来目標の有無」という下位尺度から 4 項目、③将来への希望:都筑(1996)の目標意識尺度の「将来への希望」から 3 項目、④自尊感情尺度:Rosenberg(1965)の作成した尺度を山本(1982)が邦訳したものから 7 項目を用いた。従属変数として 2 回の予備調査を経て作成された焦りの程度を測る質問紙(30 項目)を使用した。全て 5 件法で回答を求めた。
http://lab.twcu.ac.jp/psychology/Journal2004/Journal04-52.pdf


複数の指標を混合して因子分析にかけることが多いが、いずれも先行研究との同一指標をとることが必要であろう。


付記:
http://www.bsos.umd.edu/socy/grad/socpsy_rosenberg.html

Dr. Florence Rosenberg, Manny's wife, has given permission to use the Self-Esteem Scale for educational and professional research. There is no charge associated with the use of this scale in your professional research. However, please be sure to give credit to Dr. Rosenberg when you use the scale by citing his work in publications, papers and reports. We would also appreciate receiving copies of any published works resulting from your research at the University of Maryland address listed below.

使用上の注意を良く読みましょう。

*1:先日のエントリと比較するため