井出草平の研究ノート

摂食障害と抑鬱状態


性質

物質乱用や物質依存,特にアルコールや精神刺激薬は,神経性大食症をもつ者の約3分の1にみられる.精神刺激薬の使用はしばしば,食欲と体重を制御しようとして始まる.おそらく神経性大食症の人達の3分の1から2分の1は, 1つまたはそれ以上の人格障害(最もよくみられるのは境界性人格障害)の基準を満たす人格特徴を有している.
神経性大食症,排出型,の人では,非排出型の人よりも多くの抑うつ症状がみられ,体型や体重への関心も高いということが,予備的な証拠によって示唆されている.(DSM-IV)


発生頻度

 これらの結果から日本では、拒食症の患者数は他のアジア諸国に比べて高率ですが、欧米と比べるとまだ低いようです。しかし、一般女性において、過食症の有病率は他のアジア諸国と異なり、欧米の結果とほぼ同程度高率にみられるようです。(切池信夫『みんなで学ぶ過食と拒食とダイエット―1000万人の摂食障害入門』p11-2)


過食症は他の依存傾向、抑鬱状態を併発する傾向にあり、日本での割合は欧米とほぼ同率。