井出草平の研究ノート

大学の卒業率・中退率

公立高校の全日制の卒業率は9割程度というのは比較的有名だが、大学の卒業率はどのくらいなのだろうか。

ちなみに卒業率は9割程度ということは1割程度は高校入学をしても中退をしているということであり、高校に入ったら全員が卒業できているというわけではないということである。もちろん、その後に通信制定時制に移動して卒業するということはよくあるので、最終的な高卒資格を得ている人はもう少し多い。

大学も同様である。大学に入学したら卒業できると親御さんなどは思いがちだが、実際にはそうでもない。

入学試験があるため再チャレンジがしにくく、卒業大学のレベルが就職まで響くので高校とは少し事情が違うところもある。また、大学の場合は国公立でも50万円以上、私学でも100万円以上の学費なので、経済的損失があり、また中退をするとし就職にも響くので大きな問題なのである。

http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/1407849.htm

平成30年度学校基本調査に掲載されているのが下記の図である。

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この表は縦に見るようだ。

例えば、平成23年度入学(左から4列目)の卒業年27年度は79.9となっている。これは、平成23年入学でストレートで留年することなく27年度に卒業するのは79.9%だということだ。

次の行にある7.3%は1年留年して卒業する率である。2年留年は1.5%、3年留年は0.4%である。

最終的に卒業できるのは、89.1%ということになる。

他の年度と比べても例年だいたい同じ数値であり、留年なく大学を卒業できるのは8割程度、留年を含め大学を卒業できるのは9割弱である。

つまり1割程度は中退をしていることになる。

大学によって留年の難易度は異なると推測されている。

例えば理系は前回の無いように積み重ねて進んでいく授業が多いため、3回くらい授業を休んでしまうと内容がわからなくなることがあるとよく言われている。小規模で再履修が難しい大学・学部では、一度単位を落とすとリカバリーが難しい。偏差値によっても中退率はおそらく異なってくるだろう。

ともあれ、全体を平均すると卒業率は9割程度であり、高校と同じような割合であるようだ。