井出草平の研究ノート

大学で留年・休学した学生は自殺しやすい

内田千代子
「大学における休・退学、留年学生に関する調査(第29報) 」
全国大学メンタルヘルス研究会報告書   
30  pp.70〜85 2008年度
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016583727


2002〜と表記されているところが留年・休学を経験した学生にあたる。


2006年度の集計なので、入学年2006年の学生は1年生である。4年制の大学を調べているので、通常は2003年が4年生になる。2002年以前に入学しているということは、大学のどこかの時点で休学しているか留年をしていることになる。


入学年別自殺者数 2006年度

入学年度 2006年 2005年 2004年 2003年 〜2002年 06-03年平均
学年(参考) (1年) (2年) (3年) (4年) (留年・休学)
自殺者 9.06人 5.67人 6.71人 18.22人 104.04人 9.92人
10万人あたり人数



2006-2003年の平均を取ると、自殺者は9.92人(1万人あたり)で、2002以前の入学年(留年・休学者)は104.04人。およそ10倍程度の自殺率が高くなっていることがわかる。


ちなみに、2009年度の一般自殺率は24.4人(一万人あたり)なので、留年・休学経験者の自殺率は一般自殺率と比べても4倍程度高いということになる。


この調査は1979年から茨城大学を中心となって行われており、29回目の報告での自殺統計は国公立大学48校24万5173人の大学生を元に行われている。調査期間は2006年4月-2007月年3月。