井出草平の研究ノート

イギリス統計局による広汎性発達障害の有病率


イギリス国家統計局(Office for National Statistics)の報告書にある広汎性発達障害の有病率。この報告書では1万人に30人という有病率を示している。

0.3 per cent of boys had pervasive developmental disorders (4頁)


報告書自体はイギリスの小児・思春期の精神保健についてのもの。年次は2004。広汎性発達障害については数カ所言及されているのみで、他の部分は様々な精神障害についての報告が載っている。


ちなみにこの0.3%という数字の出所は明記されていないが、Fombonneらによる2001年の論文だと思われる。


Fombonne(2001)は、広汎性発達障害疫学調査のうち全国規模で行われた唯一の調査。この調査ではレット障害3.8人(1万人あたり)、その他の広汎性発達障害26.1人(1万人あたり)という数字が出ている。足し合わすと、29.9人(1万人あたり)ということになるので、イギリス国家統計局の数字とも符合する。


ついでに以下の文書もクリップ。こちらはイギリスの医師会(British Medical Association)のもの。こちらの文書では広汎性発達障害ではなく自閉症スペクトラム障害(Autistic spectrum disorder)という表記になっている。自閉症スペクトラムに拠った記述。