井出草平の研究ノート

ノースダコタの広汎性発達障害の疫学調査


アメリカのノースダコタの広汎性発達障害疫学調査

BURD, LARRY,FISHER, WAYNE,KERBESHIAN, JACOB,1987,
Prevalence Study of Pervasive Developmental Disorders in North Dakota. 
Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry. 26(5):700-703, September 1987.
http://www.jaacap.com/pt/re/jaacap/abstract.00004583-198709000-00014.htm;jsessionid=Lb1Nhq4ysx2Q6SZrTPmcG5hzdZLJLTz41BPpjFvGQPVFXN92rh2J!-1180856744!181195629!8091!-1


今から20年ほど前の論文。調査対象は2歳から18歳までのすべてのノースダコタに住む子供18万0986人。データはヘルスサービスなどの行政のデータ。診断基準はDSM-III。
小児自閉症(Infantile Autism)1.16人(1万人あたり)、小児期発症広汎性発達障害(childhood-onset pervasive developmental disorder)が0.11人(1万人あたり)、非定型広汎性発達障害(atypical pervasive developmental disorder)1.99人(1万人あたり)。


表 ノースダコタにおける広汎性発達障害の有病率(2-18歳の全数18万0987人)
診断カテゴリ 診断ケース数 推定有病率(1万人あたり) 男女比
小児自閉症 21 1.16 2.5:1
小児期発症広汎性発達障害 2

0.11 2.7:1
非定型広汎性発達障害 36 1.99 2.7:1
広汎性発達障害 合計 59 3.26 2.7:1


低率で出ているという印象。その原因は、診断基準というよりもデータほどこからとってきているのかというところが大きいと考えられる。対象者全員を診断して数を出すのと、既に医療機関などに把握されている数から推定をしていくのでは、数にかなり差が出てくる。