井出草平の研究ノート

2009-01-01から1年間の記事一覧

太郎丸博『若年非正規雇用の社会学』

若年非正規雇用の社会学‐階層・ジェンダー・グローバル化 (大阪大学新世紀レクチャー)作者: 太郎丸博出版社/メーカー: 大阪大学出版会発売日: 2009/06/04メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (12件) を見る デタ━━…

312.81/312.82/312.89 行為障害(DSM-IV-TR)

行為障害 Conduct Disorder 診断的特徴 行為障害の基本的特徴は,他者の基本的人権または主要な年齢相応の社会的基準や規則を無視する行動様式が反復または持続することである(基準A).これらの行動は大きく4群に分けられる:他の人々や動物に対して身体的…

312.9 特定不能の破壊的行動障害(DSM-IV-TR)

312.9 特定不能の破壊的行動障害 Disruptive Behavior Disorder Not Otherwise Specifed このカテゴリーは,行為障害または反抗挑戦性障害の基準を満たさないような行為または反抗的,挑戦的行動によって特徴づけられる障害のためのものである.例えば,反…

鬱姫 なっちゃんの闘鬱記

『週刊現代』を読んでいて知った本。 鬱姫 なっちゃんの闘鬱記作者: 杉山奈津子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/01/31メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る 内容紹介 東大卒後、ニートになる著者の闘ウツ体験をマンガにし…

313.81反抗挑戦性障害(DSM-IV-TR)

313.81反抗挑戦性障害 Oppositional Defiant Disorder診断的特徴 反抗挑戦性障害の基本的特徴は,目上の者に対して拒絶的,反抗的,不従順,挑発的な行動を繰り返す様式が少なくとも6カ月問持続し(基準A),以下の行動のうち,少なくとも4つがしばしば起こ…

土井隆義「かかわりの病理引きこもりという『自分の地獄』」

自己と他者の社会学 (有斐閣アルマ)作者: 井上俊,船津衛出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2005/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (20件) を見る この本の12章に「ひきこもり」についての論考がある。 土井隆義「かかわりの病…

抗うつ剤の性別ごとの有効性

抗うつ剤の性別ごとの有効性の違いのまとめ。 男性に良く効くのはノリトレン(三環系)、トレドミン(SNRI)。 女性に良く効くのはジェイゾロフト(SSRI)、ルジオミール(四環系)、プロザック(SSRI)、セレクサ(SSRI)、MAO疎害薬ということになる。 性差にあまり関…

こうやってニートができあがっていくのね

アニメ『けいおん』で使われていた「ニート」という言葉について。 『けいおん』第一話。4分29秒のところのセリフ。 平沢「何うなってるのよ、唯?」 真鍋「あ、和ちゃん」 平沢「実はどの部活に入ろうか迷って・・・」 真鍋「えっ!まだ決めてなかったの?…

暴力アスペ

特別支援教育のための精神・神経医学 (学研のヒューマンケアブックス)作者: 杉山登志郎,原仁出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 杉山登志郎の記述部分から。 高機能の広…

町田女子高生刺殺:少年の責任能力2審も認定 東京高裁

東京都町田市で05年11月、都立高1年の古山優亜(こやまゆうあ)さん(当時15歳)が刺殺された事件で、殺人罪に問われた元同級生の少年(19)=当時16歳=の控訴審判決が2日、東京高裁であった。中山隆夫裁判長は、懲役11年の実刑とした1審判…

発達障害ってなんだろう?

発達障害ってなんだろう?(政府広報オンライン・お役立ち情報) http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200904/4.html <アスペルガー症候群〜Bくんの例> ほかの人と話しているときに、自分のことばかり話してしまって、相手の人に「もう終わりにして…

小田晋「社会をとりまく不安」

小田晋,2006, 「社会をとりまく不安--社会精神病理学的解釈」(特別企画 不安とむきあう) 『こころの科学』 (通号 128),64〜68 下記は、不登校が統合失調症だったらというもの。 この形の行動の精神病理学的中核をなしているのは統合失調症であり、その基本…

社会に合わせようとするから、社会と合わせられなくなっている

ひきこもりについての論考。「ひきこもり」は社会へ適応しないのではなく、適応しようとするために逆に適応できない状態に陥っているという内容。非常に的確で興味深い論文。 加藤弘通,2006, 「ひきこもりの青年にとって働くということ--社会に向き合って生…

うつとひきこもり

津田均「青年期の「抑うつ」と社会変化」 『精神科治療学』21(11);1218−1221,2006 「ひきこもり」と「うつ」についてとの精神分析からの論文。ここ1年ほど、ちゃんと「ひきこもり」について考えて来なかったなという反省も込めて。 抄録 臨床現場では,…