林道義,1972,「ロシア革命・レーニンとウェーバー」,『現代のエスプリ』No.54.
以下の論文を批判した内容。
雀部幸隆「マックス・ウェーバーのロシア革命論」,『思想』1969年12月号・1970年1月号
ロシア革命とその周辺の知識がないので、どっちが正しいのかよく分からない。ウェーバーによるカデットの紹介を雀部氏はウェーバーの主張だと勘違いしているという趣旨。
労農の連帯感は泡沫の如くに消え去ってしまったのであり、労農同盟は事実上解体していたのである。当時より五十年を経過してもなおその事実を直視できない雀部氏とはちがって、この点を敏感に感じとっていた点にこそ、ウェーバーの、歴史を見通す確かな目があったというべきである。
批判のスタイルは今とよく似ている気がする。