井出草平の研究ノート

精神病性障害患者の犯罪被害リスク要因

Benjamin Chapple · David Chant · Patricia Nolan · Sue Cardy · Harvey Whiteford · John McGrath
Correlates of victimisation amongst people with psychosis
Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol (2004) 39 : 836–840
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15669665

精神病性障害患者の犯罪被害について調べた研究。962人中172人、17.9 %が犯罪被害を受けている。これは一般人口と比較しても非常に高い。分析結果は2016年に訂正されている(http://link.springer.com/article/10.1007/s00127-015-1147-6)。図表は訂正後のものである。

モデル1は調整なしのオッズ比。モデル2は年齢と性別を調整したオッズ比である。
関連があるのは、年齢(1.62倍)、12か月以内のホームレス体験(3.46倍)、薬物濫用・依存(1.84倍)、12か月以内の逮捕経験(3.68倍)、社会的職業的機能障害(2.73倍)である。社会的職業的機能障害にはSOFASが使用されており、他の項目と合わすためにバイナリで使用されている。高機能のカットオフは70である。SOFASのカットオフについての箇所を引用しよう。

For the purposes of this study, the scores were dichotomised into "slight or no impaired social and occupational functioning” (SOFAS>69) and “poor social and occupational functioning” (SOFAS<70)

SOFAS>69がslight or no impairedで、SOFAS<70がpoorだと書いてあるが、この書き方だと両方70を含んでいるように読める。SOFASは0と1の間でカテゴリカルに分類するので、SOFASは71以上と70以下と分けるのが正しい。この論文筆者は書き間違いをしたか、混乱して理解をしているのかよくわからない(2016年の訂正表では正しく記述されているので現在は正しく理解しているのは間違いない)。

重要なのは、SOFASを2値で使用する際のカットオフの基準は70という点である。。

いじめを受けやすい二つのタイプ

いじめに対応する教員の報告・論文を集めた特集から。

森薫
不登校の真因を把握し、かかわる
月刊生徒指導 29(13), 22-26, 1999-10
http://ci.nii.ac.jp/naid/40001020890


いじめ被害側の特徴が示されている。

■いじめを受けやすい二つのタイプ


いじめによる不登校を論ずる前に、いじめられやすい二つのタイプについて述べてみたい。


(1)無視されるタイプ(逃避型)
(1)身体がひ弱。
(2)身体に対するコンプレックスがあって、遊び、スポーツがつたなく、けんかも弱い、運動神経が発達していない。
(3)用心深く、繊細、静か、引っこみ思案、受動的、従服、恥ずかしがり屋、泣き虫。
(4)常に不安感を持ち、自分を不幸せだと感じており、悩みが多い。
(5)自己否定的で自信がない(アイデンティティの欠如}。
(6)「いじめられでも、仕返しができない」というシグナルを、ほかの子どもたちに感じとられている。
(7)自己主張ができず、同年齢の仲間とより、大人とのほうがうまくいく。
(8)成績はまちまちだが、学年が進むとしだいに落ちてくることが多い
このタイプは、いじめの標的になりやすく、不登校につながるケースが多い。


(2)排除されるタイプ(攻撃型)
(1)怒りっぽく、攻撃や侮辱を受けると、口応えをしたり手を出そうとするがうまくいかない。
(2)過剰に活動的で、落ち着きがなく、攻撃的で周囲に緊張をもたらす。
(3)不器用かっ来熟で、人をいらいらさせる。教師を含めて大人たちからも、反感を持たれやすい。
(4)時には、自分より弱い子どもをいじめようとする。


このタイプは、不安感と攻態的な行動パターン(多動、集中力欠如)をあわせ持つために、集団に適応できず、多くの生徒、時にはクラス全体からいじめを受け、排除されることが多い(今では、このタイプの子どもの多くがADHD(注意欠陥、多動症候群)ではないかと疑われている)。

しかし、このタイプはエネルギーがあるため、一時的に学校を飛びだしたりすることはあっても、長期の不登校につながることはまれである。


後者のタイプについては、英語で発表された複数の論文において支持されている。タイプが分かれるならば、対応も違うのは当然。


いじめが不登校を起こすという仮説には著者は懐疑的である。

いじめをきっかけとする不登校の場合において、そのほとんどは、いじめは誘因であって真因ではないのである。その真因がしっかり把揮され、その克服への取り組みがなされないと、問題は繰り返され、解決にはならない。


いじめ研究はあまり読めてないが、この考え方は正しい気がする。構造方程式で研究してみたい内容。

身体症状を主に病院に来談した被害者


身体症状を主に病院に来談したなかでいじめ被害に遭っている者のうちわけ。胃腸科への来談。学会報告。

黒田正宏ら
「小・中・高校生の心身症や登校拒否症でいじめが認められた90例について」
心身医学 26(抄録), 65-66, 1986-06.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001118364

腹痛,頭痛,呼吸困難,嘔気,全身倦怠感,焦燥感,不眠,食欲不振,発熱,痙攣,抜毛や不登校などを訴えて来院した小・中・高校生の90例にいじめが認められた。

 いじめは面接によって初めて判明した。診断名別では登校拒否症39%,心因性腹痛17%,自律神経失調症10%,心因性頭痛7%,過敏性腸管症候群7%,チック症3%,心因性発熱2%,過呼吸症候群2%やその他である。

いじめ側は男子グループの場合が最も多く24% ,次いで女子グループ20%,一人の男子18%,クラス全員
16%,先輩7%,一人の女子7%,部活の部員4%,親友4%,教師1% であった。
 いじめられた時の友人の態度をきくと,なにもしてくれなかった,見て見ぬふりをされた,裏切られたというものが95%であった。かばってくれたというものは4%のみだった。教師の対応をみると91% のものはなんらかの相談をしていたが,何もしてくれなかったが48%,相談にのってくれたが19%,相手に注意や処分をしてくれたが13%,相談したがいじめの存在を否定されたものが11% だった。親には37% のみしか相談していなかった。しかもその半数は親に相談してもなにもしてもらえなかった。

"いじめられた時の友人の態度をきくと,なにもしてくれなかった,見て見ぬふりをされた,裏切られたというものが95%であった。かばってくれたというものは4%のみだった。"とのこと。友人への相談は報われない。

いじめ発生率質問票

RigbyとSleeによってつくられたいじめ発生率質問票The Bullying Prevalence Questionnaire (BPQ)を翻訳してみた。オーストラリアで作られたものである。

Rigby, K. and Slee, P.T. (1993).
 Dimensions of interpersonal relating among Australian school children and 
their implications for psychological well-being. Journal of Social Psychology,
 133(1), 33-42. 


質問票はリグビーのサイトで公開されている。http://www.kenrigby.net/01a-Questionnaires

この尺度には3つのサブ・スケールで構成されている。3つのサブ・スケールと該当する質問番号は以下。
Bully Scale: 4, 9, 11, 14, 16, 17  Victim Scale: 3, 8, 12, 18, 19 Pro-Social Scale: 5, 10, 15, 20
いじめスケール:4、9、11、14、16、17 (BI) 被害者スケール:3、8、12、18、19 (VI) 向社会的スケール:5、10、15、20 (PSI)

これら12項目のいじめに関する質問に加えて、いじめには関係がないダミーの質問filler itemsが7つ含まれている。Rigby & Slee(1993)では、いじめに関係がある12項目のみの質問票が使われている。


以下が質問票。元の英語がわかるように英語と日本語を併記した。


Show how often the statements are true of you. To do this tick one of the answers underneath each statement on the questionnaire.
どのくらい頻度でのこれらの状況があなたに当てはまりますか。質問票にあるそれぞれの状態に対して、1つの答えをチェックしてください。
Scoring of the Bullying Prevalence Questionnaire (BPQ)
いじめ発生率質問票の得点をつけ方(BPQ)


全くない Never = 1
時々 Once in a while = 2
やや頻繁に Pretty often = 3
とても頻繁に Very often = 4


全くない
Never
時々
Once in a while
やや頻繁に
Pretty often
とても頻繁に
Very often
1 I like playing sport. (FI)
スポーツをするのが好き。
2 I get good marks in class. (FI)
クラスの中で良い点数をとっている。
3 I get called names by others. (VI)
他の人たちに呼ばれるいくつかの名前がある。
4 I give soft kids a hard time. (BI)
子どもたちにやさしくするのがなかなか難しい。
5 I like to make friends. (PSI)
友人を作るのが好き。
6 I play up in class. (FI)
クラスでおべっかを使っている。
7 I feel I can't trust others. (FI)
を他の人を信用することができないように感じる。
8 I get picked on by others. (VI)
他の人にいじめられている。
9 I am part of a group that goes round teasing other.(FI)
他の人をからかうことをし回っているグループにいる。
10 I like to help people are being harassed.(BI)
人々をイライラした状態にすることが好きだ。
11 I like to make others scared of me.(BI)
私が怖がれるようにようされたい。
12 Others leave me out of things on purpose.(VI)
他の人はわざと仲間はずれにする。
13 I get into fights at school.(FI)
学校でケンカをしている。
14 I like to show others that I'm the boss.(BI)
自分がボスだと他の人に示すことが好きだ。
15 I share things with others.(PSI)
他の人と物を共有している。
16 I enjoy upsetting wimps someone I can easily beat.(BI)
誰かを容易にひっぱたけるので、弱虫の子たちを困らせるのが好き。
17 I like to get into a fight with someone I can easily beat.(BI)
誰かを容易にひっぱたけるので、けんかに入るのが好き。
18 Others make fun of me.(VI)
他の人に私は笑いものにされる。
19 I get hit and pushed around by others.(VI)
他の人に殴られたり押されたりする。
20 I enjoy helping others.(PSI)
他の人を助けるのは楽しい。

不登校に対する精神医学的診断

不登校の入院例に対してDSM-III-R&IVの多軸診断を行った研究。

古口高志ほか、
心療内科入院治療を施行した不登校症例の病態特徴について :
DSM(III-R&IV)多軸評定に準じた形式での評定結果より
心身医学 42(7), 467-474, 2002
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001116922


この病院では摂食障害の入院治療を行っているため、I軸では摂食障害が多いが、不安障害・気分障害が多いことは他の研究と同じである。精神病性障害がある程度含まれることには注意が必要である。もちろん入院例であるため、疾患性の高い患者が集まる施設での統計だが、精神病性障害によって起こる不登校が存在する。学校に来ないという行為だけを見て不登校だと思うのではなく、背景に統合失調症や他の精神病性障害を想定しておくべきということだ。


また、素行障害も6%、反社会性パーソナリティも3%含まれている。自身が(暴力的)問題を起こすことによって、不登校が誘発されることもあるようだ。


人間関係の問題及び失恋での不登校も13.4%ある。摂食障害が22.4%、境界性パーソナリティ傾向が9%に見られる一般人口の構成比とはかなりかけ離れた特殊な集団であるが、失恋による不登校もありうることが示唆されている。


ちなみに、V軸はこの研究では計測されていない。


表 不登校の入院例に対する多軸診断の結果
精神疾患(1軸)
摂食障害 15 22.4%
不安障害 14 20.9%
気分障害 10 14.9%
身体表現性障害 5 7.5%
統合失調症および精神病性障害 5 7.5%
素行障害(Acting out) 4 6.0%
物質関連障害 2 3.0%
同一性障害 2 3.0%
診断なし 22 32.8%
合計 67
パーソナリティ特徴・障害(2軸)
未熟さ 14 20.9%
境界性パーソナリティ 6 9.0%
統合失調質・統合失調型パーソナリティ 3 4.5%
反社会的パーソナリティ 2 3.0%
回避性パーソナリティ 1 1.5%
依存性パーソナリティ 1 1.5%
強迫性パーソナリティ 1 1.5%
診断なし 40 59.7%
合計 67
全般的医療状態(3軸)
診断あり 26 38.8%
  肥満 6 9.0%
  過換気症候群 5 7.5%
  過敏性大腸炎 3 4.5%
診断なし 41 61.2%
合計 67
心理・環境的問題(4軸)
家族関係の問題 41 61.2%
いじめ(学校での) 14 20.9%
学校生活における問題 12 17.9%
人間関係の問題及び失恋 9 13.4%
試験のストレス 6 9.0%
社会環境的な問題 2 3.0%
他の問題 4 6.0%
問題なし 5 7.5%
合計 67

PTSDの諸症状への薬物療法

フラッシュバックなどのPTSDの症状にトピナ(トピラマート)が有効なのかという問い合わせをいただいたので、これを機にPTSDへの薬理学的介入について少しまとめてみることにした。


まずはファースト・ラインの薬物から。イギリスNHSが出しているNICEガイドライン(evidence update, 19ページ)に掲載されているのは下記の5つだ。
http://www.nice.org.uk/guidance/cg26/evidence/cg26-posttraumatic-stress-disorder-ptsd-evidence-update2

フルオキセチン(プロザック) 未承認
・パロキセチン(パキシル)
・セルトラリン(ジェイゾロフト)
・トピラマート(トピナ)
・ベンラファキシン(エフェクサー) 未承認

またエビデンスレベルは下がるもののリスペリドン(リスパダール)の効果にも言及がある。PTSDの諸症状への介入は、基本的にこの5つの薬剤で行うのが定石となる。日本で発売されている薬剤だけで介入をする場合、パロキセチンセルトラリン、トピラマートの3つの薬を最初に使うというのがガイドラインで示されている結果である。


もう少し詳しくみるためにPTSDの包括的レビューであるJonas et al.(2013)の内容を引用したい。精神・心理的な治療に関する記述が760ページにわたって書かれており、近年のエビデンスはこのレビューに漏れなく掲載されている。英語ではあるが閲覧は無料である。

Psychological and Pharmacological Treatments
for Adults With Posttraumatic Stress Disorder (PTSD)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK137702/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK137702/pdf/Bookshelf_NBK137702.pdf (PDF版)

メタアナリシスの結果、トピラマートはフルオキセチンセルトラリン、ベンラファキシンよりもは優れていることが判明している。また、パロキセチンとトピラマートの比較結果は、トピラマートの方がやや有効性が高いものの、有意差はなく同等の効果をもっていることが確認できる。


有効性の観点だけからいえば、薬物療法パロキセチンかトピラマートが第一選択薬となり、無効であれば他の薬剤にスイッチすることが推奨されることがわかる。日本で販売されているSSRIに限って言えばパキシルジェイゾロフトのみが推奨されているため、パキシルジェイゾロフトの順番となる。


同じ不安障害スペクトラムである社交不安障害(SAD)に対してエスシタロプラム(レクサプロ)の有効性が高いため、不安障害にはレクサプロを使いがちだが、疾患ごとに有効性のある介入方法は異なるので注意が必要である。PTSDの諸症状に対してエスシタロプラムのRCTは行われていないが、シタロプラム(シタロプラムを光学分割のがエスシタロプラム)のトライアルでは、プラセボ群に優位差が見られなかった(結果自体はプラセボ群の結果の方がむしろ良かった)。EBMの結果から考えるとエスシタロプラム(レクサプロ)によってPTSDの諸症状が改善することは期待すべきではない。他の有効性の確認される薬剤を投与し無効であった場合に、挑戦的な介入として位置づけられるべきである。


トピラマートの効果は他の薬剤より高いが、Lindley et al.(2007)では、治療中に副作用で40%の対象者がドロップアウトしている。これはトピラマートの副作用によるものである。トピラマートには傾眠、めまい、しびれ感、頭痛などがあり、場合によっては数日間寝込んでひどく苦しい体験をするといった服薬できない副作用が無視できない割合で現れることが知られている。トピラマートの投薬には有効性以前に、副作用が現れないことがハードルとなっているため、PTSDの諸症状に対してファースト・チョイスとして使うのは現実的ではない。


ファースト・ラインではないもののいくつかの薬剤はPTSDの諸症状に有効であることが判明している。NICEガイドラインでも指摘のあったリスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、プラゾジン(ミニプレス)、ブプロピオン(ウェルブトリン:未承認)、ジバルプロエクス[バルプロ酸](デパケン・セレニカ)があげられる。また、それよりも有効性は低いがチアガビン(ガビトリル:未承認)も有効なケースがあるかもしれない。


各薬剤ごとの比較形式での効果の差は以下の図で確かめられる。



下記はSSRISNRI、トピラマートのRCTの論文である。

パロキセチン
Marshall RD, Beebe KL, Oldham M, et al. Efficacy and safety of paroxetine treatment for chronic PTSD: a fixed-dose, placebo-controlled study. Am J Psychiatry. 2001 Dec;158(12):1982-8.
Simon NM, Connor KM, Lang AJ, et al. Paroxetine CR augmentation for posttraumatic stress disorder refractory to prolonged exposure therapy. J Clin Psychiatry. 2008 Mar;69(3):400-5.
Tucker P, Zaninelli R, Yehuda R, et al. Paroxetine in the treatment of chronic posttraumatic stress disorder: results of a placebo-controlled, flexible-dosage trial. J Clin Psychiatry. 2001 Nov;62(11):860-8.


フルオキセチン
Connor KM, Sutherland SM, Tupler LA, et al. Fluoxetine in post-traumatic stress disorder. Randomised, double-blind study. Br J Psychiatry. 1999 Jul;175:17-22.Meltzer-Brody S, Connor KM, Churchill E, et al. Symptom-specific effects of fluoxetine in post-traumatic stress disorder. Int Clin Psychopharmacol. 2000 Jul;15(4):227-31.
Martenyi F, Brown EB, Zhang H, et al. Fluoxetine versus placebo in posttraumatic stress disorder. J Clin Psychiatry. 2002 Mar;63(3):199-206. Martenyi F, Soldatenkova V. Fluoxetine in the acute treatment and relapse prevention of combat-related post-traumatic stress disorder: Analysis of the veteran group of a placebo-controlled, randomized clinical trial. Eur Neuropsychopharmacol. 2006 Jul;16(5):340-9.
Martenyi F, Brown EB, Caldwell CD. Failed efficacy of fluoxetine in the treatment of posttraumatic stress disorder: results of a fixed-dose, placebo-controlled study. J Clin Psychopharmacol. 2007 Apr;27(2):166-70.van der Kolk BA, Dreyfuss D, Michaels M, et al. Fluoxetine in posttraumatic stress disorder. J Clin Psychiatry.1994 Dec;55(12):517-22.


フロオキセチン・EMDR
van der Kolk BA, Spinazzola J, Blaustein ME, et al. A randomized clinical trial of eye movement desensitization and reprocessing (EMDR), fluoxetine, and pill placebo in the treatment of posttraumatic stress disorder: treatment effects and long-term maintenance. J Clin Psychiatry. 2007 Jan;68(1):37-46.


セルトラリン
Brady K, Pearlstein T, Asnis GM, et al. Efficacy and safety of sertraline treatment of posttraumatic stress disorder: a randomized controlled trial. JAMA. 2000 Apr 12;283(14):1837-44.
Brady KT, Sonne S, Anton RF, et al. Sertraline in the treatment of co-occurring alcohol dependence and posttraumatic stress disorder. Alcohol Clin Exp Res. 2005 Mar;29(3):395-401.
Davidson JR, Rothbaum BO, van der Kolk BA, et al. Multicenter, double-blind comparison of sertraline and placebo in the treatment of posttraumatic stress disorder. Arch Gen Psychiatry. 2001 May;58(5):485-92.
Friedman MJ, Marmar CR, Baker DG, et al. Randomized, double-blind comparison of sertraline and placebo for posttraumatic stress disorder in a Department of Veterans Affairs setting. J Clin Psychiatry. 2007 May;68(5):711-20.
Panahi Y, Moghaddam BR, Sahebkar A, et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled trial on the efficacy and tolerability of sertraline in Iranian veterans with post-traumatic stress disorder. Psychol Med. 2011 Oct;41(10):2159-66.
Zohar J, Amital D, Miodownik C, et al. Double-blind placebo-controlled pilot study of sertraline in military veterans with posttraumatic stress disorder. J Clin Psychopharmacol. 2002 Apr;22(2):190-5.


セルトラリンシタロプラム
Tucker P, Potter-Kimball R, Wyatt DB, et al. Can physiologic assessment and side effects tease out differences in PTSD trials? A double-blind comparison of citalopram, sertraline, and placebo. Psychopharmacol Bull. 2003 Summer;37(3):135-49.
Tucker P, Ruwe WD, Masters B, et al. Neuroimmune and cortisol changes in selective serotonin reuptake inhibitor and placebo treatment of chronic posttraumatic stress disorder. Biol Psychiatry. 2004 Jul 15;56(2):121-8.


セルトラリン・ベンラファキシン
Davidson J, Rothbaum BO, Tucker P, et al. Venlafaxine extended release in posttraumatic stress disorder: a sertraline- and placebo-controlled study. J Clin Psychopharmacol. 2006 Jun;26(3):259-67.


ベンラファキシン
Davidson J, Baldwin D, Stein DJ, et al. Treatment of posttraumatic stress disorder with venlafaxine extended release: a 6-month randomized controlled triale. Arch Gen Psychiatry. 2006 Oct;63(10):1158-65.


トピラマート
Akuchekian S, Amanat S. The comparison of topiramate and placebo in the treatment of posttraumatic stress disorder: a randomized, double-blind study. J Res Med Sci. 2004;9(5):240
Tucker P, Trautman RP, Wyatt DB, et al. Efficacy and safety of topiramate monotherapy in civilian posttraumatic stress disorder: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. J Clin Psychiatry.2007 Feb;68(2):201-6.
Lindley SE, Carlson EB, Hill K. A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of augmentation topiramate for chronic combat-related posttraumatic stress disorder. J Clin Psychopharmacol. 2007 Dec;27(6):677-81.
Yeh MS, Mari JJ, Costa MC, et al. A double-blind randomized controlled trial to study the efficacy of topiramate in a civilian sample of PTSD. CNS Neurosci Ther. 2011 Oct;17(5):305-10.


下記の図はエビデンスの強度を図示したものである。セルトラリンのトライアルが最も多い人数に対して行われており、信頼性が高い。

イリノイいじめ尺度

英語でのいじめ尺度の一つ、イリノイいじめ尺度を(適当に)翻訳してみた。いじめ行為の頻度を聞く形で、いじめ加害/被害の重症度を計測する設計になっている。
アメリカでは何が「いじめ」bullyingだとされているのかが確認できる。日本と大差はないように思われる。

イリノイいじめ尺度
http://www.secondstep.org/Portals/0/G3/BPU/Evaluation_Tools/IllinoisBullyScaleStudent.pdf

生徒調査 Student Survey
過去30日間にあなたが学校でこれらのことを何回しましたか? How many times did you do these things at school in the last 30 days?


全くない
Never
1〜2回
1 or 2 Times
3〜4回
3 or 4 Times
5〜6回
5 or 6 Times
7回かそれ以上
7 or More Times
1 私は楽しみのために他の生徒を狼狽させた。
I upset other students for the fun of it.
2 グループの中で、私は他の生徒をからかった。
In a group, I teased other students.
3 私は他の学生の噂を広めた。
I spread rumors about other students.
4 私は口論や争いをたきつけたり、やり始めた。
I started (instigated) arguments or conflicts.
5 私は他の生徒に嫌がらせを手助けた。
I helped harass other students.
6 私は制度を傷つけたり、叩いたりすると脅した。
I threatened to hurt or hit another student.
7 私は争いのために生徒たちをけしかけた。
I encouraged people to fight.
8 私は他の生徒をからかった。
I teased other students.
9 怒っていたとき、私は誰かに意地悪した。
I was mean to someone when I was angry.

過去30日間にあなたは学校で何回も起こりましたか? How many times did these things happen to you at school in the last 30 days?

全くない
Never
1〜2回
1 or 2 Times
3〜4回
3 or 4 Times
5〜6回
5 or 6 Times
7回かそれ以上
7 or More Times
10 他の生徒にいびられた。
Other students picked on me.
11 他の生徒に「ゲイ」といわれた。
Other students called me “gay.”
12 他の生徒にののしられた。
Other students called me names.
13 他の生徒に叩かれたり、押されたりした。
I got hit and pushed by other students.
14 私は他の学生によって脅しつかれた。
I was threatened by other students.
15 他の生徒に、私の噂を広げたり、私に嘘をついたりされた。
Students spread rumors or told lies about me.
16 私は仲間はずれにされたり、わざとグループから締め出され続けられた。
I was excluded or kept out of a group of friends on purpose.