井出草平の研究ノート

ボッビオ

「左翼」とか「サヨク」とかいろいろ表現はあるけども、そういうものをどう腑分けすれば良いか。ノルベルト・ボッビオのまとめとしてよさげなものがあった。
http://homepage3.nifty.com/civilsocietyforum/page111.html

「右翼と左翼は、永久に固定した意味を表現する言葉ではない」のであって、「時と状況にしたがって多様な意味を表現しうる言葉なのである」


このようにボッビオは、「記述的方法」によって左右軸が現在もまた今後も存続しうることを強調したうえで、左右の区別を行う基準としては、平等という理念に対する態度の違いこそがその基準であるとする。「右翼を左翼と区別するために最も頻繁に用いられている基準は、社会に生きる人々が平等という理念に対して取る態度の違いである。平等という理念は、自由や平和の理念と同様に、実現することが追求され、そのために闘うことも望まれるような究極的目標である」。つまり、左翼は平等の理念を積極的価値とするのに対し、右翼はこれを消極的価値とするのである。それゆえボッビオは、左右の対立を平等の理念と自由の理念の対立とは考えてはいない


むしろ、自由に対する態度の相違は、左右軸の基準ではなく、過激派と穏健派とを区別する基準としてボッビオは考えている。

平等への積極性で「右翼/左翼」を分けるというのはギデンズの著作を通じて知っていたけども、自由に関してボッビオはそういうことを言っていたのか。なるほど。