井出草平の研究ノート

名門大学へ入学するのは私立出身者か、公立出身者か


ここのデータからグラフを作ってみた。
右上がりのグラフは私学優位の大学。左上がりのグラフは公立優位の大学。


結果としては、東京大学京都大学以外の大学は公立校優位の状態にあることが確認できる。九州大学北海道大学名古屋大学が特に公立優位(傾きが大きい)で、大阪大学神戸大学大阪府立大学と続く。


東京大学京都大学の2つの大学に進学するのは私学出身者が多い。これらの高校は開成・灘・洛南などの難関私学である。私学の高校と言っても、すべて同じように語れるわけではなく、難関私学とそれら以外の私学では大学への進学先は違ってくる。私学の高校に子どもを入れたからと言って子どもに学歴をつけさせることができるとは限らない。難関私学に子どもを入れれば、一流と呼ばれる大学へ行く可能性が高くなるが、それ以外の私立であれば、結果はそれほど良いものにはならないのではないだろうか。東京大学京都大学以外の一流と呼ばれる大学では公立優位なのである。公立の高校に通っても十分な学歴をつけることが出来る。


現在、教育格差が社会問題化されているが、そこでは、私学の中学や高校に行かなければ、良い大学に行けないかのように語られる。私学に子どもを通すことのできる金持ちと、公立にしか子どもを通わすことの出来ない貧乏人の格差である。しかし、東京大学京都大学に行かない限りは、公立高校に通っても問題はないのではないかと思われる。


付記
難関私大についてもグラフを作ってみた



早稲田には早稲田高等学院と早稲田実業がカウントされているが、その他の大学では、高等部からの内部進学者をカウントしていない。従って実際には、早稲田以外の大学のグラフは少し私学側に傾くことになる。グラフ上では、関西学院大学だけは公立優位となっている。