1970年からの摩擦的失業率の推移。メモ。
http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaa200201/b0062.html
ベバレッジ・カーブの方は98年以降45度線で循環せずに上昇傾向にある。
年齢階級間ミスマッチによるUV曲線のシフト変化と失業率 http://db.jil.go.jp/cgi-bin/jsk012?smode=dtldsp&detail=F2004060054&displayflg=1
研究結果から,若年者層,中年者層,そして高齢者層の三つの年齢グループ間での求人年齢と求職年齢のズレから生じる年齢階級間ミスマッチは90年代半ばから縮小傾向にある。しかし,総UV曲線全体を左下方にシフトさせるほど,年齢階級間ミスマッチ縮小による影響は十分大きくない。この結果は,厚生労働省(2002)における,年齢間ミスマッチ指標による推定結果と同じである。90年代後半からの失業率の急上昇の一因として,年齢間の雇用ミスマッチの拡大が挙げられているが,実証研究から,それほど年齢階級間でのミスマッチの拡大が大きな原因ではないことがわかった。
「求人があるのに就職ができない」というのはミスマッチが原因で起こることだが、「年齢」のミスマッチではないとのこと。では、なんなのか?というと、答えはそんなに明快にスパッと出るわけではないようだ。(参照)
構造的・摩擦的失業の増加に関する研究(中間報告) http://www.jil.go.jp/institute/reports/2004/L-8.html
構造的失業、摩擦的失業について詳しく報告されている。推定法の問題については2章4節にまとめてある。
以下はメモ。
2.UV カーブ、その直感的理解
どんな不況期であっても必ず求人を行う企業は存在するし、逆に好景気の場合でも職を求める失業者が市場には存在する。また、この求人と求職を一括して仲介するようなシステムは、少なくとも自由主義経済の市場においては、存在しない。そのため労働市場では常に職の欠員と職を求める失業とが同時に発生することになる。この欠員と失業の水準を産業や地域といった部門ごとに見たとき、あるいは比較的長期にわたって同じ市場を時系列的に観測したとき、欠員が多いときには失業率が低く逆に失業率が高い時には欠員が少ないといった両者の間には負の関係があることが経験則上、知られている。そのため欠員率と失業率を座標軸にとってそれらの関係を表せば右下がりの曲線が描かれる。この曲線あるいは関数関係のことを労働経済学の用語ではUV カーブ(ビバレッジカーブ)と呼んでいる。
ではなぜ右下がりの曲線が描かれるのか、その仕組みを簡単に説明すると以下のようなことになる。まず職に欠員が多く発生している状況というのは、相対的に労働需要が高くなっている労働力の売り手市場を意味している。ゆえに職を探しているものの多くは比較的早く職に就くことができ、結果失業率も低くなる。逆に今、市場に存在する職が労働力でほぼ埋まっている場合、つまり職の欠員率が低い場合は、労働市場は買い手市場となる。このとき求職者の多くは職を見つけるのに時間がかかり、失業率も高位で推移することになる。逆に失業率を基準に考えても、欠員と失業の負の関係を簡単に説明することができる。失業率が高い場合はそれだけ労働供給がだぶついているということであるから、求人はすぐに埋まり欠員率は低位で推移することが考えられる。一方、失業率が低いときは相対的に余剰の労働人員が少ないため、企業は失業率が高いときほど簡単には新規に人を雇い入れることはできない。よって低失業時には職の欠員はなかなか埋まらないことが予想される。