なぜ「金魚」なのか。
答えは英語の慣用句にある。
「金魚の記憶」(memory of a goldfish)という言葉もあり 「非常に乏しい記憶力」という意味である。
8秒説の前は3秒説だった
8秒説が唱えられる前は3秒説が唱えられていたことが判明している。
金魚が水槽をぐるぐると回っているのをイメージしたからではないかと推測されているが、決定づける証拠はない。もちろん3秒説にもエビデンスはない。
科学者たちの反論
Kalpathy Ramaiyer Subramanianが検証を行い、金魚の注意持続時間が8秒であることが誤りであることを指摘している。
また、実際には金魚は少なくとも5カ月は記憶があることが示唆されている。
金魚は、一般に信じられているよりもはるかに知的なのだ。
神経心理学者は、金魚が良い記憶力を持っていることから、実際に記憶形成のモデルとして使用している。
マイクロソフトの発表
ことの発端は2015年、カナダのマイクロソフトの研究チームの発表である。研究チームは「人間の平均的な注意持続時間は金魚より1秒遅れている」と報告した。
マイクロソフトの研究には平均9秒以下の注意力しか持たない金魚と比較して、人間の注意力がいかに「減少」しているか(12秒から8秒へ)を示すインフォグラフィックが提示されている。
マイクロソフトがこのような結果を示したのは、コンテンツをより短くコンパクトに誘導するためである。
ファクトチェックをしないメディア
マイクロソフトの報告をThe TelegraphからTIMEまで多くのメディアがファクトチェックをせずにニュースとして垂れ流したことから、金魚の話は広く知られることになった。
データの入手先
マイクロソフトが示した注意持続時間は独自に調査したものではなくStatistic Brainという研究機関から入手したものである。
注意持続時間の統計。
購読料を払えば内容をみることができるようだが、金魚の注意持続時間については書かれていないようだ。マイクロソフトがマーケティングの際に盛り込んだもののようだ。
参考リンク
https://bettermarketing.pub/busting-the-great-goldfish-attention-span-myth-8150ba9af0efbettermarketing.pub