井出草平の研究ノート

初回エピソード精神病におけるメンタライジング

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

要旨
統合失調症患者ではしばしばメンタライジングの障害が観察され、最近のいくつかの研究では、このような障害が初回エピソード精神病 first episode psychosis(FEP)患者にも存在することが示唆されている。しかし、FEPにおけるこれらのメンタライジングの障害が、社会的手がかりの認識、社会的知識、一般的推論といった基礎的なプロセスによって説明できるかどうかは明らかでない。本研究では、FEP患者31名とマッチさせた対照者31名を対象に、本研究で検証した新規で包括的なメンタライジング課題を用いてメンタライジング能力を評価しました。また、FEPにおけるメンタライジングの欠陥が、少なくとも部分的にこれら3つの基礎的プロセスのパフォーマンスによって説明できるかどうかを判断するために、同じ参加者において社会的手がかり認識、社会的知識、非社会的(または一般的)推論のパフォーマンスも評価した。全体として、メンタライジング課題はFEPにおける最大の障害を示し、その障害は、社会的手がかり認識、社会的知識、非社会的推論能力で制御した後でも有意なままであった。興味深いことに、非社会的推論と社会的知識はともにメンタライジングのパフォーマンスに寄与することが示された。さらに、FEP群では、社会的認知の尺度が社会的機能に関連しており、メンタライジングのパフォーマンスと最も強い相関が観察された。これらの結果から、メンタライジングはFEPにおいて特に影響を受ける社会的認知の一側面であり、これらの患者の機能障害に寄与している可能性があることが示されました。これらの欠陥は、FEPにおける認知的改善の主要なターゲットとなる可能性があり、我々の結果は、これが直接的に、あるいは社会的知識や一般的推論といった関連する社会的および非社会的認知能力の改善を通じて行われる可能性を示唆している。

サンプル特性

  • 初回エピソード精神病(FEP)非感情型
  • DSM-IV
  • N=31
  • 年齢:24.9歳(4.5歳)
  • 男性:26名(83.87)

認知機能測定

  • メンタライジング/ToM
  • ヒンティング課題、フォルス・ビリーフ課題、フェイクパス・テスト、ストレンジ・ストーリーズ・テスト

機能測定

SOFAS

主な知見

社会的認知