井出草平の研究ノート

不偏分散と標本分散

正規母集団の母分散の推定量を計算するとき、推定量を不偏にするために、平方和を標本数ではなく、自由度と呼ばれる、標本数から1を引いたもので割るように言われていると思います。
http://homepage2.nifty.com/hashimoto-t/try/varian-j.html


このページにある表で確認できる。母集団の分散は0.978、標本データの分散の平均が0.780、標本データの不偏分散の平均が0.975。(普遍性)

石村貞夫,デズモンド・アレン「すぐわかる統計用語」東京図書
216ページの「分散」の項には,
「データや分布のバラツキの程度を示す量」
とあります。
定義式ですが,
「標本分散 $s^2 = \frac{(x_1-\bar{x})^2+(x_2-\bar({x})^2+ \cdots +(x_N-\bar{x})^2}{N-1}
ですね。おやおや,N-1 で割ってあります。


これについては,繁桝算男ら編著「Q&Aで知る統計データ解析DOs and DON'Ts」サイエンス社の14ページは別の見解を取っている。n で割った方を標本分散,n-1 で割ったものを不偏分散としている。しかし,私は,前者は「標本データの分散」というニュアンスの命名だと思っている。あるいは,「標本の記述にしか適さない分散」か。


東京大学教養学部統計学教室編「統計学入門」東京大学出版会の184ページ
{\bf 標本分散}の定義として,変動を n-1 で割った定義式を挙げています。
そして,n で割った方は
…(これ)も,標本から計算される分散だから「標本分散」(カッコは原文通り)であるが,`不偏でない`(偏りのある)標本分散である…
としてある。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc024/196.html


メモ

  • 乱数の計算について

http://homepage2.nifty.com/hashimoto-t/try/prepar-j.html


U=一様乱数


=SQRT(-2*LN(RAND()))*COS(2*PI()*RAND())


SQRT()……平方根
RAND()……一様乱数(0−1の乱数)
PI()……円周率
LN()……自然対数