井出草平の研究ノート

ミルズ『社会学的想像力』


社会学的想像力

社会学的想像力


読書会で読んだ。非常におもしろみのない説教本。ここに書いてあることは既にやってる。
とはいえ、社会学者なら誰しも知っている本であるし、ウケもいい。


International Sociological AssociationでBooks of the Centuryというランキングがあるが、そこでは、2位になっている。

1 Weber, Max Economy and Society  20.9% 
2 Mills, Charles Wright The Sociological Imagination 13.0% 
3 Merton, Robert K. Social Theory and Social Structure  11.4 
4 Weber, Max The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism 10.3 
5 Berger, P.L. and Luckmann, T. The Social Construction of Reality  9,9 
6 Bourdieu, Pierre Distinction: A Social Critique of the Judgment of Taste 9.5 
7 Elias, Norbert The Civilizing Process  6.6 
8 Habermas, Jürgen The Theory of Communicative Action 6.4 
9 Parsons, Talcott The Structure of Social Action 6.2 
10 Goffman, Erving The Presentation of Self in Everyday Life 5.5 


ミルズの『社会学的想像力』は題名はすばらしく良いけども、中身を読んでみたらかなり凡庸な説教である。きっと投票した人は読んでないのだろう。もし読んでいて投票した人がいたなら、社会学者をすぐにやめた方がいい。1位になっているウェーバーの『経済と社会』もかなり怪しい。ガチで読んで、これが歴史に残る本だと思えるまで読み込んだ社会学者がどれくらいいるだろうか。20%の得票を集めてるということは、5人に1人ということだが、それはないだろう。そもそも5人に1人も読んでるか疑問だ。


ミルズの本だが、社会学者の官僚化を批判しているところがある。こういう「良識」を官僚化した社会学者たちが「そうだそうだ」と思って、Books of the Centuryへ投票しているのはなんと言うべきなのか。


ちなみに文中に出てくる「IBMカード」とは「80桁の穿孔ができるパンチカードのこと」らしい。これがあると社会学的想像力がつくらしいので、生協での販売を熱烈希望。

 コンピュータが少し進むと、特に入出力関係は複雑になりやすいので、コンピュータメーカーから提供されるようになりました。IBM社では、そのようなサブルーティンをIOCS(Input Output Control System)と呼んでいました。しかしプログラムはその当時俗称「IBMカード」と呼ばれていたカードで保存されていました。そのためコンピュータを動かすには、まずカードリーダーからプログラムカードを読み込ませることから始めたものです。その読み込みのため、「プログラム・ローダー」と言う5枚のIBMカードが用意され、これを自分が書いたプログラムの頭に付けて作業したものです。
 プログラムをIBMカードのままでは能率が悪いので、磁気テープに収納する方法が工夫されましたが、あまり普及されませんでした。しかし、これが OSの芽生えだったのでしょうか。
http://www.npcj.com/archive/mlg/cmframe.html



マシン



IBMカード