井出草平の研究ノート

広汎性発達障害やアスペルガー症候群はいつから注目され始めたのか?


2000年に起こった豊川市主婦刺殺事件(17歳の犯罪。「人を殺してみたかった」と動機を述べた事件)を切っ掛けに、アスペルガー症候群という概念が広まったとされている。時期としては2000年に入ってからのことである。このことをグラフで示してみた。


具体的には、学術論文、書籍、新聞記事に現れる広汎性発達障害の数を数えてみた。キーワードは「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」「アスペルガー障害」*1で、いずれかを含むもの件数である。学会用の資料につくったグラフで、もったいないので、こちらにも貼ってみた。


まずは、学術論文数の推移。CiNiiの年ごとの検索結果数をグラフにしてある。


次に出版書籍数の推移。国立国会図書館NDL-OPACの検索結果。


最後に新聞記事数の推移。聞蔵IIビジュアルによる検索結果。


学術論文が少し早い挙動を見せているものの、だいたい2000年か2001年くらいにグラフが伸び始める。

*1:自閉症、自閉性障害、自閉症スペクトラム自閉症スペクトル、レット障害、小児期崩壊性障害はカウントしていない