井出草平の研究ノート

思春期のスクリーンタイムと抑うつ症状は睡眠が媒介変数となる

この論文は重要だと思う。スクリーンタイムの研究では睡眠を測るべし。

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    1. Li, O. Buxton, S. Lee, A. Chang, Lawrence M. Berger, L. Hale, Sleep mediates the association between adolescent screen time and depressive symptoms.Sleep medicine. 57:51-60. doi: 10.1016/j.sleep.2019.01.029.

睡眠は思春期のスクリーンタイムと抑うつ症状との関連を媒介する
目的
本研究では、思春期の子どもたちにおける4種類のスクリーンを用いた活動と抑うつ症状との関連を検討した。さらに、睡眠の特徴(すなわち、不眠症状と睡眠時間)がこれらの関連を媒介するかどうかを検討した。
研究方法
Fragile Families and Child Wellbeing Studyの15歳時の追跡調査に参加した米国の青年2865人(平均年齢=15.53歳、SD=0.73、51.8%が男性)から得られたデータを用いた。思春期の子どもたちは、睡眠時間と不眠症状、1日の典型的な4つのスクリーン活動(ソーシャル・メッセージング、ウェブ・サーフィン、テレビ・映画鑑賞、ゲーム)の時間、および抑うつ症状に関する調査に参加しました。多重媒介モデルを構築し、9歳の抑うつ症状を調整しながら、15歳のスクリーンタイムと睡眠および抑うつ症状との関連を明らかにした。
結果
構造方程式モデルによる分析の結果、スクリーンタイムと抑うつ症状との関連は、睡眠によって部分的または完全に媒介されることが明らかになった。ソーシャルメッセージ、ネットサーフィン、テレビ・映画鑑賞では、3つの睡眠変数がスクリーンタイムと抑うつ症状の正の関連を完全に媒介していた。ゲームについては、3つの睡眠変数が部分的に媒介し、ゲームと抑うつ症状の関連性の38.5%を占めた。
結論
今回の結果は、思春期の若者の抑うつ症状を軽減するための潜在的な介入対象として、スクリーンを使った活動と睡眠行動の両方を強調するものであった。