井出草平の研究ノート

ゲーム障害の者は、衝動制御やADHDの症状を含む精神的健康や認知機能が低下、うつ病や不安症を抱え、社会的に孤立、インターネット・ポルノの病的使用の傾向があった。精神的健康の悪化は女性の方が高い。

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  • Stockdale, Laura, and Sarah M. Coyne. 2018. “Video Game Addiction in Emerging Adulthood: Cross-Sectional Evidence of Pathology in Video Game Addicts as Compared to Matched Healthy Controls.” Journal of Affective Disorders 225 (January): 265–72.

成人期におけるビデオゲーム嗜癖ビデオゲーム嗜癖者は、マッチさせた健常対照者と比較して、病理学的に横断的な証拠がある。
インターネットゲーム障害尺度(IGDS)は、ビデオゲーム中毒の指標として広く用いられており、ビデオゲームをプレイする人全体のごく一部に影響を与える病理である。新興国の成人男性は、ビデオゲーム依存症になる可能性が著しく高い。IGDSに基づいてビデオゲーム依存症と判定された人が、年齢、性別、人種、配偶者の有無などでマッチさせた対照群とどのように比較されるかを調べた研究者はほとんどいない。
研究方法 本研究では、自己報告式の調査方法を用いて、精神的、身体的、社会的、情緒的な健康について、IGDSのビデオゲーム依存症患者とマッチさせた非依存症患者を比較した。
結果 ゲーム嗜癖者は、対照群と比較して、衝動制御やADHDの症状を含む精神的健康や認知機能が低下していた。さらに、ゲーム中毒者は、うつ病や不安症などの情緒的な問題を抱え、社会的に孤立しており、インターネット・ポルノの病的使用の症状を示す傾向があった。また、女性のビデオゲーム嗜癖者は、負の影響を受けるリスクが高いことが明らかになった。
制限 本研究のサンプルは大学学部生であり、自己報告法を用いている。
結論 ビデオゲーム依存症のIGDS基準を満たした参加者は、感情的、身体的、精神的、社会的な健康状態が悪化し、ビデオゲーム依存症が有効な現象であることを示す証拠が増えた