井出草平の研究ノート

ゲーム障害では前頭-側頭-頭頂前頭-後頭領域の半球内結合が増加の可能性。定量的脳波(QEEG)所見

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  • Griffiths, Mark D., Daria J. Kuss, Olatz Lopez-Fernandez, and Halley M. Pontes. 2017. “Problematic Gaming Exists and Is an Example of Disordered Gaming.” Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.6.2017.037.

併存疾患のない大うつ病(MDD)とインターネットゲーム障害が併存するMDDの脳波コヒーレンスの比較
インターネットゲーム障害(IGD)には、大うつ病性障害(MDD)を含む多くの精神医学的問題が併存する。本研究では、定量的脳波(QEEG)所見を分析することで、併存疾患のないMDD(MDD-only)とIGDと併存するMDD(MDD+IGD)の神経生物学的な違いを比較した。男性のMDD+IGD患者14名(平均年齢20.0±5.9歳)と男性のMDDのみの患者15名(平均年齢20.3±5.5歳)を募集した。脳波のコヒーレンスは、21チャネルのデジタルEEGシステムを用いて測定し、α(7.5~12.5Hz)とβ(12.5~35.0Hz)の周波数範囲における同期性を評価するために計算した。 Hz)の同期を評価した。半球間(Fp1-Fp2,F7-F8,T3-T4,P3-P4)と半球内(F7-T3,F8-T4,C3-P3,C4-P4,T5-O1,T6-O2,P3-O1,P4-O2)の12個の電極部位ペアの間での同期を計算した。周波数帯の半球間および半球内のコヒーレンス値の群間差を独立t検定で解析した。Fp1-Fp2電極間のα帯域の大脳半球間コヒーレンス値は、MDD+IGDでMDDのみの患者よりも有意に低かった。P3-O1電極間のα帯域の大脳半球内コヒーレンス値は、MDD+IGDでMDDのみの患者よりも高かった。F8-T4、T6-O2、P4-O2電極間のβバンドの半球内コヒーレンス値は、MDD+IGDではMDDのみの患者よりも高かった。MDD+IGD群では、前頭葉領域における半球間結合性の低下と、注意問題に対する脆弱性との間に関連があると思われる。オンラインゲームのやりすぎにより、前頭-側頭-頭頂前頭-後頭領域の半球内結合が増加している可能性がある。