井出草平の研究ノート

いじめの定義


 文部科学省の定義

(1)自分より弱い者に対して一方的に、
(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、
(3)相手が深刻な苦痛を感じているもの。
『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/18/1304156_01.pdf

その他の定義。

「自己防衛の容易ではない者に対しての反復的な攻撃行為」
−−土屋基規、2005、『いじめと取り組んだ国々』ミネルヴァ書房,10頁。

今日的ないじめとは,認知された集団内において,強者である一方が弱者である個人に対して意識的にも無意識的にも,精神的・肉体的苦痛を継続して加える行為であある
−−『新版学校教育大辞典Ⅰ』ぎょうせい、82頁

(1)被害者が耐えばエスカレートする
 集団で寄ってたかってある特定の個人(又は少数)を標的とする。被害者が耐えたり立ち向かったりすれば、更にエスカレートする。
(2)傍観者が多く止める者がいない
 いじめに遭遇しても我関せずと傍観している生徒が多い。多くの生徒は自分が標的になるのではないかと恐れていて、止める者がいない。
(3)巧妙に手口で大人は発見しにくい
 先生や大人に見つからないような狡猾・巧妙な手口が横行している。そのため発見できなかったり発見・介入が遅れたりする。
(4)いじめの手口が残忍で悪質
 手口が残忍かつ悪質である。忍耐の限度を超えたり、長期間継続したりすることで、生き地獄となり、被害者を自殺に追い込まれるケースがある。
(5)加害者に罪悪感が薄く面白半分
 いじめのきっかけは大方瑣末な事が多い。加害者に罪悪感が薄く,面白いからとか、むかついたからやったと言い,いじめる明確な理由はない。
(6)少しの違いがきっかけになる
 極端に内気であったり、動作が緩慢して、集団からはみだした生徒が標的にされやすい。みんなと少し違うことがいじめのきっかけになる。
−−餅川正雄、2010「学校のいじめ問題に関する研究(1)」『広島経済大学研究論集』 33(3), 43-57, 2010-12.