井出草平の研究ノート

SEMの推定値の解釈[R]

lavaanパッケージで行った共分散構造分析の補足的なエントリ。

ides.hatenablog.com

例として潜在変数のところだけピックアップする。

Latent Variables:
                   Estimate  Std.Err  z-value  P(>|z|)   Std.lv  Std.all
  ind60 =~                                                              
    x1                1.000                               0.670    0.920
    x2                2.180    0.139   15.742    0.000    1.460    0.973
    x3                1.819    0.152   11.967    0.000    1.218    0.872
  dem60 =~                                                              
    y1                1.000                               2.223    0.850
    y2                1.257    0.182    6.889    0.000    2.794    0.717
    y3                1.058    0.151    6.987    0.000    2.351    0.722
    y4                1.265    0.145    8.722    0.000    2.812    0.846
  dem65 =~                                                              
    y5                1.000                               2.103    0.808
    y6                1.186    0.169    7.024    0.000    2.493    0.746
    y7                1.280    0.160    8.002    0.000    2.691    0.824
    y8                1.266    0.158    8.007    0.000    2.662    0.828

標準誤差

標準誤差(standarderror; SE)。lavaanではStd.Errとして出力される。母数の推定値の標準偏差で、推定値の散らばりを表す指標である。標準誤差が小さいほど精度よく推定できていると解釈できる。

z値

z値は検定に使用される値である。lavaanではz-valueとして出力される。z値は推定と標準誤差から計算される。

 z値 = \frac{推定値}{標準誤差}

信頼区間

母数の検定では、観測対象数が大きい場合には、母数の値がゼロに近くても帰無仮説が棄却されやすくなります。つまり、統計的に有意であるとともに、効果を判断する必要がでてくる。95%信頼区間では1.96を使用する。1.96は標準正規分布区間推定値である。

推定値-1.96×標準誤差 < 母数の真値 < 推定値+1.96×標準誤差

ind60 =~ x2の場合は、推定値が2.180、標準誤差が0.139であるため、下記のようになる。

1.908 < 母数の真値 < 2.452

信頼区間は手計算でなくても前回のエントリでも出てきた下記のコマンドで求められる。

parameterEstimates(object=fit,ci=T,standardized=T)