井出草平の研究ノート

潜在クラス分析-三段階法[Mplus]

  • Jichuan Wang, Xiaoqian Wang, 2019, Structural equation modeling applications using Mplus. Wiley.

6.2.6.2 三段階法 The three-step method
共変量および/またはdistal outcomesを伴う混合物モデルのための新しい3段階の手法が開発された(Vermunt 2010; Asparouhov and Muthen 2013, 2014)。その名が示すように、このアプローチでは3つのステップが概念的に実装されている。(i) 混合モデルの測定部(すなわちLCA)が推定され、(ii) LCAの事後確率から最も可能性の高いクラスのメンバーシップが推定される。古典的な三段階法とは異なり、潜在クラスメンバーシップの測定誤差は、ステップ2でも推定され、推定の最後のステップで使用される。最後に、(iii)潜在クラスメンバーシップの推定における測定誤差を考慮して、最も可能性の高い潜在クラスメンバーシップと共変量およびdistal outcomesとの関係を推定する。より高度なモデル(例えば、distal outcomesが潜在クラスと共変量の両方の関数であるモデル(Asparouhov and Muthén 2013)など)では、三段階法を手動で実装することが望ましいが、それにはある程度のSEMの経験が必要である。このような応用例を付録 6.B で示す。Mplusの自動実装は簡単である。共変量(すなわちX)の潜在クラス変数への影響を評価するために、VARIABLEコマンドでAUXILIARY = X(R3STEP)を指定することで、AUXILIARY設定R3STEPを使用することができる。共変量Xが潜在クラスメンバーシップに与える影響は、クラス分類誤差を補正して推定される(Vermunt 2010)。連続変数のdistal outcomes Yに対する潜在クラス変数の効果を調べるために、3ステップ法を実装するための2つのAUXILIARY設定がある。distal outcomeの分散が潜在クラス間で異なると仮定すると、VARIABLEコマンドのAUXILIARYオプションでAUXILIARY設定DU3STEPを使用して(すなわち、AUXILIARY = Y(DU3STEP))、クラス分類誤差を補正した状態でdistal outcomes Yに対する潜在クラス変数の効果を推定する(Vermunt 2010; Asparouhov and Muthen 2014)。一方、distal outcomesの分散が潜在クラス間で等しくなると仮定すると、AUXILIARY設定DE3STEPが用いられ(AUXILIARY = Y(DE3STEP))、Mplusはクラス間でdistal outcomesの平均は異なるが分散は等しいと推定する。等分散は強い仮定であり、仮定が保てない場合、特にクラス分類が貧弱な場合(エントロピーレベルが0.60以下)には、推定値に偏りが生じる可能性がある(Asparouhov and Muthen 2014)。このアプローチ(DE3STEP)は、AUXILIARY設定DU3STEPでモデル推定が収束しない場合にのみ使用される(Asparouhov and Muthen 2015a).三段階法では、クラスがシフトする問題を完全に解決できないことに注意する。ステップ1からステップ3へのクラス・メンバーシップのシフトは、三段階法がMplus AUXILIARY設定がDU3STEPまたはDE3STEPで実装されている場合、Mplusで内部的に監視される。シフトが大きい場合、Mplusはモデル結果を提供しない。

  • Vermunt, J.K. (2010). Latent class modeling with covariates: two improved three-step approaches. Political Analysis 18: 450–469.
  • Asparouhov, T. and Muthén, B. (2013). Auxiliary variables in mixture modeling: a 3-step approach using Mplus. Mplus Web Notes, 15. Los Angeles: Muthén & Muthén. www .statmodel.com.
  • Asparouhov, T. and Muthén, B. (2014). Auxiliary variables in mixture modeling: three-step approaches using Mplus. Structural Equation Modeling: A Multidisciplinary Journal 21: 329–341.

https://www.wiley.com/en-jp/Structural+Equation+Modeling:+Applications+Using+Mplus,+2nd+Edition-p-9781119422723