井出草平の研究ノート

ゲーム障害群はレジリエンスが低く、知覚されるストレスが高く、うつ状態。ストレス対処の方法を学習すれば低減できるかも

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    1. Yen, H. Lin, Wei-Po Chou, Tai-Ling Liu, C. Ko, 2019, Associations Among Resilience, Stress, Depression, and Internet Gaming Disorder in Young Adults, International Journal of Environmental Research and Public Health. 16(17): 3181. DOI:10.3390/ijerph16173181

若年成人におけるレジリエンス、ストレス、抑うつ、インターネットゲーム障害の関連性について 背景と目的:感情的な困難から逃れるためにゲームを利用することは、インターネットゲーム障害(IGD)に寄与するメカニズムの候補であることが示唆されている。本研究では、レジリエンス、知覚されたストレス、抑うつ、およびIGDの関連を評価した。方法は以下の通り。本研究では、IGD群87名、対照群87名の被験者を募集した。IGDはDSMを用いて診断した。ストレスレベル、レジリエンス抑うつ状態は、自己報告式の質問票で測定した。結果 IGDグループは、対照グループに比べて、レジリエンスが低く、知覚されるストレスが高く、うつ状態であった。階層的回帰分析により、知覚されたストレスをコントロールすると、レジリエンスがIGDと関連することが示された。うつ病をコントロールした後は、レジリエンスと知覚されたストレスはIGDと関連しなかった。IGD群では、レジリエンスが低い人ほど抑うつ度が高かった。さらに、IGDと関連するレジリエンスの特性は「規律」であった。結論 低レジリエンスは、IGDの高いリスクと関連していた。レジリエンスが低いIGD患者は、より高い抑うつ状態にあった。うつ病レジリエンスよりもIGDと関連していた。低レジリエンスまたは高ストレスを示すIGD患者に対しては、うつ病の評価とストレス対処のための介入を行うべきである