井出草平の研究ノート

ゲーマーの業界分類(Freeloaders、Minnows、Dolphins、Whales)とゲーム障害のリスク

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  • Dreier, M., K. Wölfling, E. Duven, S. Giralt, M. E. Beutel, and K. W. Müller. 2017. “Free-to-Play: About Addicted Whales, at Risk Dolphins and Healthy Minnows. Monetarization Design and Internet Gaming Disorder.” Addictive Behaviors 64 (January): 328–33.

Free-to-play: 依存症のクジラ、危険なイルカ、健康なミノムシについて。収益化設計とインターネットゲーム障害。
ビデオゲームは、技術革新による変化だけでなく、新しいゲームデザインやマネタイズのアプローチによっても変化している。さらに、ゲーム内で金銭的な投資を行っているエリートゲーマーグループが、無料プレイゲームの全ユーザーに資金を提供しています。青少年保護の問題に加えて、無料で遊べるゲームの人気が高まっていることから、インターネットゲーム障害(IGD)との関連性についても議論が高まっている。
研究方法 ドイツの学校を拠点とした代表的な研究において、無料で遊べるブラウザゲームを利用する児童および青少年を対象とした(N=3967、年齢範囲12~18歳)。臨床的自己報告書であるAICA-S(Wölfling et al. また、従属変数として、心理社会的問題(SDQ; Goodman, 1997)、知覚ストレス(PSS; Cohen, Kamarck & Mermelstein, 1983)、対処戦略(BriefCOPE; Carver, 1997)、およびARPU(Average Revenue per (Paying) User)を調査した。さらに、IGD、SDQ、PSS、BriefCOPE、ARPUに関連して、無料でプレイできるゲーマーの業界分類(Freeloaders、Minnows、Dolphins、Whales)を使用した。
結果 フリープレイのゲーマーにおけるIGDの有病率は5.2%であった。IGDに分類された対象者は、問題を抱えていないユーザーよりも高い心理社会的症状を示し、より高い知覚ストレスを報告し、機能不全の対処戦略をより頻繁に適用していた。さらに、IGDの被験者はARPUが高いことがわかった。
結論 ARPUはIGDと有意に関連している。クジラは嗜癖的なビデオゲーマーと共通の特徴を持ち、イルカはリスクの高い消費者に分類される可能性がある。MinnowsとFreeloadersはどちらかというと病的ではないゲーマーである。ストレスに対する脆弱性、機能不全の対処、フリープレイゲームは不健康な組み合わせである。