井出草平の研究ノート

ゲーム大会で募集した人に見られたゲーム障害の使用上は、機能障害、問題があっても使用を続けること、ゲーム使用のコントロールの失敗、以前の趣味や娯楽への興味の喪失で、他の症状はみられない

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  • Colder Carras, Michelle, Anne Marie Porter, Antonius J. Van Rooij, Daniel King, Amanda Lange, Matthew Carras, and Alain Labrique. 2018. “Gamers’ Insights into the Phenomenology of Normal Gaming and Game ‘Addiction’: A Mixed Methods Study.” Computers in Human Behavior 79 (February): 238–46.

通常のゲームとゲーム「中毒」の現象学に対するゲーマーの洞察。混合法による研究
インターネットゲーム障害(IGD)の現象学についてさらなる研究を求める声に応えて、コミュニティ参加型の合意形成アプローチを用いて、「ゲーマー文化」のメンバーが問題のあるゲームをどのように記述しているか、またこれらの記述と提案されているIGDの基準との関係を評価した。ビデオゲーム大会で、ゲーマーのフォーカスグループを2つ募集した。参加者は、ゲームの「依存症」の兆候に関する提案を提出するよう求められた。参加者は、基準について議論し、概念的に重要な順に順位付けを行った。その順位を定量的に分析した後、学際的なチームが、順位付けされた基準をDSM-5 IGDの提案された基準と比較した。参加者のランク付けとIGDの症状との間で最も強い一致が見られたのは、ゲームによる害や機能障害、問題があっても使用を続けること、ゲームをコントロールしようとする試みがうまくいかないこと、以前の趣味や娯楽への興味の喪失などだった。その他のIGD基準については、あまり支持されなかった。また、参加者は新たなコンテンツ領域を提案した。これらの結果は、研究者や政策立案者が、問題のあるビデオゲームのプレイに特有の特徴やプロセスを理解し、IGD基準の内容的妥当性を向上させるためには、共同で知識を構築するアプローチが有効であることを示唆している。今後、IGD基準を改善し、理論、測定、介入に役立てるためには、マルチステークホルダーによるアプローチが有効であると考えられる。