デジタルデバイスの目に与える悪影響

こちらのレビューの"Negative Effects of Videogaming, Problematic Internet Use, and Gaming Addiction on Vision"の節であげられていたものをまとめた。

www.frontiersin.org

東南アジア地域のインターネット使用と眼精疲労

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

東南アジアの学生の問題のあるインターネット使用に関する38の研究のレビュー。19%の被験者が眼精疲労を経験したと報告。

小児における眼精疲労の有病率

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有病率研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスにより、0~18 歳児の眼精疲労の有病率を推定した論文。結果は19.7%(12.4-26.4%)。
東南アジアの研究Balhara et al.(2018)での問題のあるインターネット使用群の眼精疲労は19%であったので、一般群とそれほど違いがないのかもしれない。

韓国の小児のドライアイ

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スマートフォン使用の1日平均継続時間は、小児のドライアイ群は対照群よりも長く(ロジスティック回帰分析、P<0.001、OR=13.07)、屋外活動の1日平均継続時間は、小児のドライアイ群の方が対照群よりも短かった(ロジスティック回帰分析、P<0.01、OR=0.33)。

デジタルメディアの過剰使用は依存でなく健康への影響がある

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デジタルメディアの過剰使用が子どもの健康に及ぼす影響のインタビュー。ヨーロッパ9カ国の9歳から16歳までの子どもたちを対象。子どもたちはインターネット中毒や過剰使用を示すことなく、いくつかの身体的・精神的な健康上の問題を報告した。身体的な健康症状としては、目の問題、頭痛、食べない、疲れやすいなどが挙げられた。

オンラインゲームが目に与える影響

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健康な大学生50名に夜間に4時間、コンピュータ上でオンラインゲームを継続的にプレイしてもらう実験。収束障害と収容障害(convergence and accommodation disturbances)が生じ、身体的・眼的不快感(physical and ocular discomfort)が増加。調節性と両眼転導機能とまばたき速度が有意に低下した。すべての視覚機能は翌朝までにベースラインレベルに回復した。

スマホと内斜視

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韓国での研究。1日4時間以上スマートフォンを4ヶ月間以上使用した7~12歳の学生が急性後天共同性内斜視(Acute Acquired Comitant Esotropia )を呈した。

日本でも内斜視の増加が眼科医の中で話題になっているそうだ。

www.m3.com

ただし、これだけスマートフォンが社会に普及し、メリットを享受している状況で、一概にスマートフォンの使用は眼に悪いといったメッセージを発するべきだとは考えておりません。「デジタルデバイスの使用時は休憩を取る(1時間見たら5-10分休憩)」「画面と眼の距離を保つ(パソコンで50cm、スマートフォンで30cm以上)」といった予防策の啓発が現実的だと考えています。(浜松医科大学・佐藤美保さん)

眼精疲労と姿勢

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11~17歳のインドの都市部の児童が対象。576人の思春期の学生を対象に、デジタルデバイスを使用しながら横になる習慣とデジタル眼精疲労の症状(27%)に有意な相関関係があった。寝る前のスマホ使用ではなく、ここで言われているのは、ベッドで作業したり読んだりすること。18% (103人)がデジタルデバイスで作業した後、一日の終わりに眼精疲労を経験する。

勉強のスタイルが関係しているようだ。学生たちはデバイスを宿題の補助として使用するだけでなく、3分の1は従来の教科書の代わりに読書にデジタルデバイスを使用した。デジタルデバイスによる眼精疲労はゲームと結び付けられがちだが、勉強のスタイルの方が大きな問題となるだろう。

大学生のコンピュータービジョン症候群

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ジャマイカの大学生を対象にした研究。コンピュータービジョン症候群の症状は、首の痛み(75.1%)、眼精疲労(67%)、肩の痛み(65.5%)、眼熱傷(61.9%)が最も多かった。ドライアイ(26.2%)、複視(28.9%)、かすみ目(51.6%)が最も一般的な症状であった。眼熱傷(P = 0.001)、眼精疲労(P = 0.041)、首の痛み(P = 0.023)は、視聴レベルと有意に関連していました。中等度の眼熱傷(55.1%)および複視(56%)は、携帯機器を使用した人に発生した(それぞれP = 0.001および0.007)。中度のぼやけは、デバイスを斜めに持った人が14.8%であったのに対し、デバイスを下から見た人の52%で報告されています。重度の眼精疲労は、装置を見下ろした人の63%で報告されたのに対し、装置を目の高さに保持した人は21%であった。肩の痛みは使用パターンとは関係ありませんでした。

ノートパソコンがダメみたいだ。デスクトップの復権か。

眼精疲労と視力の影響の先行研究は一貫しておらず、眼精疲労があるので視力低下があると考えるのは早計である。また、Vilela et al. (2015)では、眼精疲労を持つ子供の大多数に視力や屈折異常は認められないとしている。

ゲームと視力低下は無関連

journal.nichigan.or.jp

1979年から2012年までの日本の大規模疫学調査。視力不良は日照時間と負の関係を示し、身長とは単回帰でのみ正の関係を認めた。一方、学習時間とテレビゲーム時間は視力不良と有意の関係が認められなかった。