先日のエントリの続き。こちらのTable 8.26である。
暴露変数はtx、媒介変数intentはベースラインの約6ヵ月後に測定されたもので、次の2ヵ月間にタバコを使用するか否かという意思である。アウトカムciguseは、フォローアップで測定された前月にタバコを使用したか否かである。
媒介変数intentを連続従属変数として扱うモデルは、線形性と正常な残差という通常の仮定が正しくない可能性もある。その場合、媒介変数を順序変数として扱うことで、床効果がモデルと適合的になる。点双列相関係数が使われていると問題があるので、ポリコリック相関係数(順序変数と順序変数)の一種である順位双列相関係数(2値データと順序変数)が使うという言い方でもよいと思う。
前のエントリでは媒介変数intentを連続変数として扱ったが今回はカテゴリカル変数として扱う。暴露変数txは2値、媒介変数intentはカテゴリ変数(4値)、アウトカムciguseは2値である。
モデル
媒介変数intentをカテゴリカルにすると、tx→intentのパスの推定値が違いが出る。またP値が0.61→0.88となっている。他の2つのパスのP値も変化している。また、intentの残差分散が表示されなくなるが、結果の出力に閾値(Thresholds)が表示されるようになる。

コード
違いはここだけである。
variable: categorical = ciguse intent;
結果
MODEL RESULTS
                                                    Two-Tailed
                    Estimate       S.E.  Est./S.E.    P-Value
 CIGUSE     ON
    INTENT             0.608      0.053     11.571      0.000
    TX                -0.203      0.106     -1.913      0.056
 INTENT     ON
    TX                -0.246      0.088     -2.794      0.005
 Thresholds
    CIGUSE$1           1.189      0.089     13.365      0.000
    INTENT$1           0.525      0.066      7.914      0.000
    INTENT$2           0.970      0.072     13.425      0.000
    INTENT$3           1.378      0.081     17.037      0.000
intentをカテゴリカルにしたため、残差分散(Residual Variances)から閾値(Thresholds)に変わっている。Thresholdsはいずれかのカテゴリが参照カテゴリとなる。
TOTAL, INDIRECT, AND DIRECT EFFECTS BASED ON COUNTERFACTUALS (CAUSALLY-DEFINED EFFECTS)
                                                    Two-Tailed
                    Estimate       S.E.  Est./S.E.    P-Value
Effects from TX to CIGUSE
  Tot natural IE      -0.030      0.011     -2.710      0.007
  Pure natural DE     -0.046      0.024     -1.903      0.057
  Total effect        -0.076      0.026     -2.911      0.004
 Odds ratios for binary Y
  Tot natural IE       0.803      0.064     12.494      0.000
  Pure natural DE      0.751      0.116      6.463      0.000
  Total effect         0.603      0.108      5.610      0.000
確率メトリックでは、間接効果の推定値は-0.030であり、タバコを使用する確率を低下させていることがわかる。