井出草平の研究ノート

二次因子の信頼性係数の計算[R]

因子分析の二次因子のω係数を計測する。パッケージはsemToolsを使用する。

www.rdocumentation.org

ω係数についてはこちら。

ides.hatenablog.com

データ

lavvanに同梱されているデータHolzingerSwineford1939を使用する。HolzingerSwineford1939を使用した分析はこちらを参照のこと。

コード

まずモデルを作って、lavaanパッケージで因子分析をする。

library(lavaan)
HS1.model <- 'visual =~ x1 + x2 + x3
             textual =~ x4 + x5 + x6
             speed =~ x7 + x8 + x9
             intelligence =~ visual + textual + speed
'
HS1.fit <- cfa(HS1.model, data = HolzingerSwineford1939, std.lv=T)

モデルはややこしくないので不要かもしれないが、図にすると以下のようになる。

f:id:iDES:20200926162044p:plain

reliabilityL2()を使ってω係数を計算する。

library(semTools)
reliabilityL2(HS1.fit, "intelligence")

結果。

       omegaL1        omegaL2 partialOmegaL1 
     0.5542950      0.7559089      0.7818425 

解釈

共分散行列( \hat{\Sigma} )は、

 \hat{\Sigma} =2 次の共通性+ 2 次残差+ 1 次誤差

と表現できる。 2 次の残差とは、 2 次因子"intelligence "では説明できない一次因子の"visual "、"textual "、"speed "の独自性の共分散行列の残差のことである。1 次誤差は、観測変数に付随する測定の誤差である。

2 次因子によって 1 次因子が説明される割合は\omega_{L2}であり、

\omega_{L2}=\frac{2 次の共通性}{2 次の共通性+2 次残差}

と定義され、出力では0.76 となっていて"intelligence "という総合的な特性によって下位尺度がよく説明されていることがわかる。

得点の合計が 2 次因子によって説明される割合は\omega_{L1}である。

\omega_{L1}=\frac{2 次の共通性}{2 次の共通性+2 次残差+1次誤差}

出力では 0.55である。

一方で、2 次因子では説明できない 1次因子の残差部分を除いたものはpartialOmegaL1であり、

\omega_{pL1}=\frac{2 次の共通性}{2 次の共通性+1次誤差}

であり、出力は0.78である。