井出草平の研究ノート

ルートボックス購入者は、購入しなかった人に比べて、ビデオゲームやオンラインギャンブルのプレイ頻度が高く、ゲームやオンラインギャンブルのプレイ時間が長く、ビデオゲームやギャンブルの問題の深刻度が高く、精神的苦痛も大きい

www.semanticscholar.org

  • Wen Li, Devin J. Mills, L. Nower, 2019, The relationship of loot box purchases to problem video gaming and problem gambling. Addictive behaviors.27-34. doi: 10.1016/j.addbeh.2019.05.016.

ルートボックスの購入と問題のあるビデオゲームおよび問題のあるギャンブルとの関係について
ルートボックスは、多くのビデオゲームにおける仮想アイテムであり、プレイヤーは偶然のアイテムに「ギャンブル」することができる。ルートボックスは、ビデオゲームにギャンブルの要素をもたらし、ビデオゲームユーザーがオンラインギャンブル活動に従事するきっかけになるかもしれない。しかし、この新たな問題に焦点を当てた研究はほとんどない。本研究では、ルートボックスの購入と、ビデオゲームの問題およびギャンブルの問題の深刻度との関係を調べた。本研究では、618名の成人ビデオゲーマー(男性=27歳、女性=8.9歳、男性=63.7%)を対象に、オンライン調査を実施し、自己申告データを収集しました。調査対象者の半数近く(44.2%)が、過去1年間に購入したゲームソフトは「ルートボックス」であった。ルートボックス購入者は、購入しなかった人に比べて、ビデオゲームやオンラインギャンブルのプレイ頻度が高く、ゲームやオンラインギャンブルのプレイ時間が長く、ビデオゲームやギャンブルの問題の深刻度が高く、精神的苦痛も大きいことがわかった。一連のパス分析の結果、ルートボックスの購入は、問題のあるビデオゲームや問題のあるギャンブルの重症度に直接関係し、さらにビデオゲームやオンラインギャンブルへの関与の増加を通じて間接的に関係し、そのことが精神的苦痛の増加につながることが明らかになった。今回の研究結果は、ビデオゲームやオンラインギャンブルへの娯楽的関与から、ビデオゲームやギャンブルの問題への移行において、ルートボックスの購入が果たす役割についての洞察を提供する。