井出草平の研究ノート

5.9%の学生がインターネットゲーム嗜癖、気晴らしや回避などの機能障害的な対処戦略を優先的に採用する傾向がある

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  • Milani, Luca, Giuseppe La Torre, Maria Fiore, Serena Grumi, Douglas A. Gentile, Margherita Ferrante, Silvia Miccoli, and Paola Di Blasio. 2018. “Internet Gaming Addiction in Adolescence: Risk Factors and Maladjustment Correlates.” International Journal of Mental Health and Addiction 16 (4): 888–904.

思春期におけるインターネットゲーム依存症。危険因子と不適応の相関関係
いくつかの研究では、ビデオゲームに関連した行動的な中毒の存在が記録されており、その特徴と結果の点で他の形態の嗜癖(ギャンブルや物質関連)と類似しているように見える。このテーマに関する文献では、DSM-5が発表されるまで、この障害の標準的な定義がないことが問題となっていました。そのため、現時点での本障害の有病率やその特徴は不明である。本研究では、潜在的に問題のあるビデオゲーム(VG)使用やインターネット使用と、明確なインターネットゲーム障害(IGD)やインターネット依存症との違いを、性別、ゲームに費やす時間、優先的な対処戦略、適応問題、対人関係の観点から調査し、ビデオゲームへの問題的関与を予測する危険因子を特定することを目的とした。イタリアの主要4地域で募集した612名の学生(年齢層9~19歳、M = 13.94)を対象に、対処戦略、対人関係、内在化/外在化の問題、インターネットおよびビデオゲームへの依存に関する測定値を含む調査を実施した。その結果、15.2%の学生が不顕性のビデオゲーム使用の問題を抱えており、IGDが明らかな学生は2.1%だった(n = 13)。また、16.3%の学生が不顕性のインターネット使用の問題を抱えており、5.9%の学生が完全基準のインターネット嗜癖を患っていた。IGDは、幅広い心理的症状や行動的・社会的問題を含む様々な機能不全の結果と関連していた。また、問題のあるビデオゲーマーは、気晴らしや回避などの機能障害的な対処戦略を優先的に採用する傾向があり、ビデオゲームは問題や困難に対処するための手段であると考えられる。