井出草平の研究ノート

MMORPGで敵対的な行動をとる青年はネット嗜癖の症状が高く、クラスにMMORPGをしている生徒が多いほどネット嗜癖になりにくい

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  • Stavropoulos, Vasilis, Daria J. Kuss, Mark D. Griffiths, Peter Wilson, and Frosso Motti-Stefanidi. 2017. “MMORPG Gaming and Hostility Predict Internet Addiction Symptoms in Adolescents: An Empirical Multilevel Longitudinal Study.” Addictive Behaviors 64 (January): 294–300.

MMORPGゲームと敵意が青年期のインターネット中毒症状を予測する。実証的なマルチレベル縦断研究。
概要 インターネット嗜癖(IA)は、ますます研究されているテーマである。本研究では、青年のIA症状を、個人の敵意、ゲーム使用(Massively Multiplayer Online Role Playing Games[MMORPG])、教室レベルでのゲーム(クラス内のMMORPGプレイヤーの割合を用いて算出)に特に焦点を当てて、縦断的に調査した。対象者は、2年間(16~18歳)に渡って調査を受けた648名のギリシャ人青年です。IA症状はインターネット依存症テスト(IAT)で、敵意は症状チェックリスト90(SCL-90)の該当サブスケールで評価した。3段階の階層的線形モデルを用いて、16歳時点および経年でのIA症状に対する個人レベルと教室レベルの影響を区別した。MMORPGゲーマーとより敵対的な青年は、より多くのIAの症状を呈した。しかし、MMORPGゲーマーの割合が高い教室に所属していることは、IAの保護因子であると考えられた。これらの縦断的データは、思春期のIA症状の違いを決定する上で、教室レベルでの文脈的要因の重要性を強調している。