井出草平の研究ノート

ひきこもり

衣笠隆幸「「ひきこもり」の症状形成と時代精神-戦後50年の神経症症状の変遷の中で-」

衣笠隆幸,2001, 「「ひきこもり」の症状形成と時代精神-戦後50年の神経症症状の変遷の中で-」 『こころの臨床a la carte』20(2),211-215. 「ひきこもり」と「摂食障害」の関連について述べた記述を含む論文。 衣笠の言う「ひきこもり」とは以下のようなも…

いわゆる「社会的ひきこもり」に関するMMPIを用いた臨床的研究

岩谷泰志,2004, 『いわゆる「社会的ひきこもり」に関するMMPIを用いた臨床的研究』 博士論文。未入手。 MMPIを「ひきこもり」の研究に使った論文。 非常に興味深い。 NDL-OPAC書誌情報 岩谷泰志 http://www.iwataniclinic.com/syou.html

本城秀次ほか「ひきこもりに関する研究−不登校の登校回避感情との関連から−」

本城秀次・笛吹素子・小倉正義・村瀬聡美・金子一史・畠垣智恵,2006, 「ひきこもりに関する研究−不登校の登校回避感情との関連から−」 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神…

ひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業

「ひきこもり」という言葉がおそらく初めて使われたであろう行政の事業である。(参考) 使われたのは、1991年開始の事業。また、「ひきこもり・不登校」となっているので、文部省(当時)の事業かとおもいきや、厚生省(当時)の事業である。 1991年02月20日…

地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究

「ひきこもりガイドライン」を作る際の元になった報告書から2つ。どちらもひきこもりガイドラインの主任研究者であった伊藤順一郎が主任研究者を努めているもの。 平成12(2000)年度 厚生労働科学研究費補助金『地域精神保健活動における介入のあり方に関す…

生地新「ひきこもりの発現との関連から見た仲間集団および引きこもり支援としての仲間集団の発達論的研究」

心理学の立場から、仲間集団をひきこもりの要因と考える論文。 「ひきこもり」は心理の問題だと考えられがちだが、心理学で「ひきこもり」を扱った論文は多いとは言えないのが現状である。 ちなみに扱われている5例のうち2例は発達障害の例である。 生地新…

井上洋一ほか「青年期後期の発達課題と引きこもりの関連についての研究(その1)」

『思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究』の初任研究者である井上洋一の論文。 大学での「ひきこもり」を対象にした調査研究である。 この論文の分析は報告書のなかでも最もレベルが高いと。報告書という「読みにくい」ものに収録するので…

親子で口論、長男を刺殺 周南

6月のニュースをスルーしてしまっていたので、エントリ。 親子で口論、長男を刺殺 周南 '06/6/19 周南署は、十八日午後一時二十五分ごろ、周南市江の宮町、無職高橋博容疑者(70)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。 調べでは、高橋容疑者は同日午後一時…

青木省三ほか「身体性および居場所の概念から見た引きこもりの病理および支援に関する研究」

数少ない比較文化研究である。非常に貴重な資料だと思われる。 方法は、日本の「ひきこもり」状態を記述したものをイギリスとフランスの精神医学・心理学の専門家に見せて回答を求めたアンケート調査。 青木省三・野村陽平・太田充子・森享子・島内智子・向…

『思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究』目次

井上洋一『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究』 目次 Ⅰ.総括報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究 井上洋一 Ⅱ.分担研究報告 1.青年期…

「引きこもり」の20歳二男を逮捕 大阪

阪市西淀川区柏里の無職栄正雄さん(56)方で、正雄さんがトイレで頭から血を流して倒れているのを長女が見つけ、119番した。大阪府警西淀川署員が駆け付けたところ、二男の無職幸次郎容疑者(20)が父親を殴ったと認めたため、殺人未遂容疑で逮捕した。正雄…

斎藤環×上山和樹

NPO法人「神戸オレンジの会」 7周年記念イベント: 「ひきこもりの未来」 http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20061003#p2 日時: 10月28日(土) 1部 13:00〜 2部 14:15〜 場所: 兵庫県こころのケアセンター 3F 大研修室 参加費: 無料 ビッグイシューの…

近藤直司ほか「ひきこもりの個人精神病理と治療的観点についての研究」

近藤直司・岩崎弘子・小林真理子・宮沢久江・藤井康男・宮田量治,2006, 「ひきこもりの個人精神病理と治療的観点についての研究」 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学…

職場でうまくつきあうためのコミュニケーション講座

Aダッシュワークの教育委員会支援事業にこんなものが登場。 職場でうまくつきあうためのコミュニケーション講座 職場でコミュニケーションがうまく行かず悩んでいる方対象。伝えたいことを整理しながら、どうすれば相手に伝わりやすいかを考えます。あいさ…

中村健二「引きこもりに関する行政施策の課題について」

中村健二,2006, 「引きこもりに関する行政施策の課題について」 『 平成14年度総括・分担研究報告書 心の健康問題と対策基盤の実態に 関する研究』 http://mental.m.u-tokyo.ac.jp/h14tokubetsu/分担研究報告書3-6.pdf (PDF) 「ひきこもり」支援ではわり…

北村陽英「高校生の不登校・中途退学----ひきこもりに視点をおいた調査研究」

北村陽英「高校生の不登校・中途退学----ひきこもりに視点をおいた調査研究」 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究』 高校と中学校との違いは高校では授業中、一定…

齋藤万比古「義務教育期間に生じた不登校とひきこもりとの関連に関する研究(1)」

齋藤万比古・清田晃生・渡部京太・小平雅基・宇佐美政英・佐藤至子・林望美・瀬戸屋雄太郎,2006, 「義務教育期間に生じた不登校とひきこもりとの関連に関する研究(1)〜予備的研究〜」 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報…

地域疫学調査で把握された「ひきこもり」例の診断について

川上憲人・立森久照・三宅由子, 「地域疫学調査で把握された「ひきこもり」例の診断について」 『平成17年度「こころの健康についての疫学調査に関する研究」報告書』 http://www.ncnp-k.go.jp/dkeikaku/epi/Reports/H17WMHJR/H17WMHJR07.pdf(PDF) 2003年調…

海外の「ひきこもり」番組

http://youtube.com/watch?v=n3_Ba5GS7yg 「ひきこもり」のドキュメントらしい。スペイン語。 BBCで放映したものをスペイン語翻訳したものなのではないだろうかと思う(よくわからない)。 番組の紹介はどうもこのページのようだ http://www.tvcatalunya.co…

斎藤環「ひきこもり」救出マニュアル

「ひきこもり」救出マニュアル作者: 斎藤環出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2002/06メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 112回この商品を含むブログ (36件) を見る わけあって、斎藤環マニュアルの読み直し。 最近の傾向として、ひきこもり状態にアルコ…

長田百合子・廣中邦充「引きこもりや不登校は親にしか直せない」

長田百合子・廣中邦充,2006, 「引きこもりや不登校は親にしか直せない」 『婦人公論』,9月22日号,24-27. 死亡者を出したアイメンタルスクールの杉浦昌子氏の姉、長田百合子氏の対談。対談相手の広中氏は太陽熱温水器販売などの職を経て、住職になり、寺…

岡山大学疫学調査(2003年)

岡山大学疫学調査(2003年) http://www.hiki.info/modules/tinycontent/index.php?id=42 「論点ひきこもり」に新しいコーナーを設置。「ひきこもり」に関する情報を蓄積するアーカイブを作る予定。まずは岡山大学疫学2003年調査*1についてアップ。 岡山大学に…

渡辺健「ひきこもりと訪問カウンセリング」

渡辺健,2004, 「ひきこもりと訪問カウンセリング」 『現代のエスプリ』(445),45〜51. 訪問と心理的援助について歴史を撮り返ると、宗教家を思い浮かべる人は少なくない。筆者自身ここ十数年訪問の道すがら、さまざまな現代の辻説法に出会った。何か自分が…

斎藤環「ひきこもり現象と他者性の介在」

斎藤環,2004, 「ひきこもり現象と他者性の介在」 『現代のエスプリ』(445),32〜44. 川上らの調査において、「ひきこもり」経験を持つ九人が現在はその状況を脱していることは、ひきこもり事例のすべてが長期化するわけではないことを示しており、その意味…

奥浩哉『め〜てるの気持ち』

ヤングジャンプで奥浩哉『め〜てるの気持ち』が連載開始。「ひきこもり」ラブコメだそうだ。 ひきこもり当事者の父親 追記 JRで中吊り発見。 via chikiさん

井上洋一「思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究」

井上洋一,2006, 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)総括研究報告書 思春期・青年期の「ひきこもり」に関する精神医学的研究』 最近「摂食障害」の研究をやっている人と思われがち(そんな気はまったく無いのだが)なので、ひきこもり関…

水田一郎「摂食障害とひきこもりの関連についての研究」

水田一郎(分担研究者)・研究協力者(木下朋子),2006, 「摂食障害とひきこもりの関連についての研究」, 『厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)分担研究報告書』. ひきこもり経験の有無として、「あなたはこれまでに、世間一般で言われ…

フランクル「それでも人生にイエスと言う」

それでも人生にイエスと言う作者: V.E.フランクル,山田邦男,松田美佳出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1993/12/25メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 109回この商品を含むブログ (89件) を見る 心理系の知人の薦めで読む。 著者のフランクルはナチスの収容…

イチョウ葉エキス

慢性疲労症候群を専門にしています。 提示版を拝見しましたが、慢性疲労症候群患者さんの訴えと非常に似ていることに驚いています。医療法人社団小川クリニック 小川良一 http://www.khj-h.com/mansei.htm 「ひきこもり」と「慢性疲労症候群」が似ているとい…

生まれる前に介入できるから

精神科は、状況がこじれにこじれて、本人や家族が多くの資源を喪失した後に介入することが多い。ひきこもる男性を"最後に"引き受ける精神科医を増やすのではなく、ハイリスク家族/ハイリスク児/ハイリスク者に早期介入する方が安価なのではないかと思う。(中…