井出草平の研究ノート

SEMの適合度指標

SEMの適合度指標について。

共分散構造分析[R編]

共分散構造分析[R編]

χ2検定は観測対象数の影響を受けやすく,観測対象数が大きくなると棄却されやすくなってしまいます。χ2値だけを利用してモデル適合の検討を行わないようにしましょう。

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表2.4の下段には代表的な適合度指標を示しました。CFI(comparative fit index:比較適合度指標)は,その値が0から1までの範囲に収まる指標です。1に近いほど適合が良く,一般には, 0.95以上あればよいモデルであると判断します。TLI(Tucker-LewisIndex)も1に近いほど適合が良いと判断する指標ですが,CFIと異なり, 1を超える場合もあります。
RMSEAは頻繁に利用される指標で,0.05以下であれば当てはまりが良く, 0.1以上であれば当てはまりが悪いと判断します。また,SRMR(standardized root mean square residual :標準化残差平方平均)は,標本の分散・共分散とモデルにより再現される分散・共分散の差である残差によってモデル適合を検討するための指標です。下限値は0で, 0に近いほど適合していると判断します。