井出草平の研究ノート

ゲーム障害の有病率調査で高い値が出る要因は、1990年代に実施、病的賭博のDSM基準を使用、ゲーム障害を調査、アジアの調査、サンプル数が少ない(1,000人未満)

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    1. Fam, 2018, Prevalence of internet gaming disorder in adolescents: A meta-analysis across three decades, Scandinavian journal of psychology. DOI:10.1111/sjop.12459

思春期におけるインターネットゲーム障害の有病率。30年にわたるメタアナリシス。
精神障害の診断・統計マニュアル(DSM-5)の第5版に「インターネットゲーム障害(IGD)」が含まれたことで、研究の可能性が生まれた。青年はIGDの影響を受けやすいにもかかわらず、この集団における有病率の推定値はさまざまに報告されている。この論文の目的は、思春期のIGDの有病率に関する発表された研究をレビューすることである。2017年3月以前の関連研究をデータベースを通じて特定した。合計16件の研究が組み入れ基準を満たした。思春期のIGDのプールされた有病率は4.6%(95%CI=3.4%~6.0%)であった。男性青年は女性青年(1.3%、95%CI=0.6~2.2%)よりも高い有病率(6.8%、95%CI=4.3~9.7%)を一般的に報告していた。サブグループ分析の結果、有病率の推定値は、以下の時期に実施された研究で最も高くなった。サブグループ解析の結果、有病率の推定値が最も高かったのは、(i)1990年代、(ii)病的賭博DSM基準を使用している、(iii)ゲーム障害を調査している、(iv)アジア、(v)サンプル数が少ない(1,000人未満)だった。本研究では、思春期の子供たち、特に男性におけるIGDの驚くべき有病率が確認された。過去数十年における方法論の欠陥(DSMの「病的賭博」の基準に依存していること、「インターネット」という言葉が含まれていること、サンプル数が少ないことなど)を考えると、研究者がこの障害を評価するために共通の方法論を適用することは非常に重要である。