井出草平の研究ノート

ドイツの12~25歳におけるインターネットゲーム障害の推定有病率は5.7%。男性、低年齢、抑うつ、不安の高さ、ゲームによる社会的接触の減少が関係

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  • Wartberg, Lutz, Levente Kriston, and Rainer Thomasius. 2017. “The Prevalence and Psychosocial Correlates of Internet Gaming Disorder.” Deutsches Arzteblatt International 114 (25): 419–24.

インターネットゲーム障害の有病率と心理社会的相関。
背景
インターネットゲーム障害(IGD)は、コンピュータゲーム(オンライン、オフラインを問わず)の問題ある使用である。ドイツ国内における小児、青年、若年成人の有病率はまだ推定されていない。
調査方法
2016年9月に、ドイツの12~25歳の代表サンプル1531名を対象に、標準化された尺度(Internet Gaming Disorder Scale、IGDS)を用いて調査した。参加者に関する社会人口統計学的および心理社会的データも入手した。有病率の推定値とロジスティック回帰を算出した(IGDSの多重帰属を伴う場合と伴わない場合の両方)。
結果
ドイツの12~25歳におけるIGDの推定有病率は5.7%(95%信頼区間:[4.5; 6.9])であった。多重代入法を考慮した感度分析では,この値は7.0%(5.8;8.5)に上昇した。推定有病率は、男性が女性よりも高く、8.4%[6.4; 10.4]に対し、2.9%[1.7; 4.1]、p<0.001だった。IGDとの統計的に有意な関連は、男性、低年齢、抑うつ度が高い、不安度が高い、コンピューターゲームのために社会的接触を怠る頻度が高い、などであった。
結論
本研究で得られたIGDの有病率の推定値を考慮すると、この障害、その相関関係、およびその病因に関するさらなる研究、特に縦断的な研究が必要である。上記のような心理社会的特徴を持つ若年者には、コンピューターゲームの使用について具体的に質問する必要がある。