井出草平の研究ノート

インターネットゲーム障害の尺度IGDS9-SFはどの国でも一因子構造だが、かなり反応が違う

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  • Pontes, Halley M., Vasileios Stavropoulos, and Mark D. Griffiths. 2017. “Measurement Invariance of the Internet Gaming Disorder Scale–Short-Form (IGDS9-SF) between the United States of America, India and the United Kingdom.” Psychiatry Research 257 (November): 472–78.

アメリカ、インド、イギリスにおけるInternet Gaming Disorder Scale-Short-Form(IGDS9-SF)の測定不変性について
Internet Gaming Disorder Scale-Short-Form(IGDS9-SF)は、インターネットゲーム障害(IGD)の行動を評価するために世界中で広く使用されている。そのため、その適用性における文化的な限界や意味合いを調査する必要がある。テストの異文化間での実行可能性は、測定不変性分析によって心理測定的に評価することができる。そこで本研究では、多群確証的因子分析(MGCFA)を用いて、米国、インド、英国のゲーマーを対象にIGDS9-SFの測定不変性を検討した。米国(n=405)、インド(n=336)、英国(n=272)から合計1013名のゲーマーを募集した。その結果、IGDの1因子構造は支持されたが、ゲームへの没入・飽き、寛容性、欺き、ゲームからの逃避・気分転換、ゲームに関連する日常活動の障害を評価する項目に国による違いが見られました。さらに、離脱症状、耐性、ゲームへの関与に対するコントロールの欠如、ゲームからの逃避/気分転換、ゲームに関連する日常活動の障害を評価する項目の同じスコアが、3つのグループのさまざまなレベルのIGDの重症度を反映していることがわかった。これらの結果の意味するところを、IGDの評価に関する既存のエビデンスと照らし合わせ、さらに議論する。