井出草平の研究ノート

デシプラミンによるレム睡眠抑制:α1アドレナリン作動性機序の証拠

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

  • Ross, R. J., Gresch, P. J., Ball, W. A., Sanford, L. D., & Morrison, A. R. (1995). REM sleep inhibition by desipramine: Evidence for an α-1 adrenergic mechanism. Brain Research, 701(1–2), 129–134. https://doi.org/10.1016/0006-8993(95)00984-X

ノルエピネフリン(NE)の再取り込みを阻害する薬剤を急性投与すると、ネコや他の哺乳類において急速眼球運動(REM)睡眠が抑制される。その機序は、NEが脳橋のレム睡眠生成領域の細胞に作用することによると推定されている。シナプスノルアドレナリン受容体機構は同定されていない。今回の実験では、α-1拮抗薬プラゾシンとβ拮抗薬プロプラノロールが、NE再取り込み阻害薬デシプラミン(DMI)によって生じるレム睡眠抑制を逆転させる能力をネコで検証した。DMIは、レム睡眠エピソード数、レム睡眠割合(レム睡眠時間/総睡眠時間)、平均レム睡眠エピソード時間を減少させた。プロプラノロールではなくプラゾシンを併用すると、レム睡眠の割合と平均レム睡眠エピソード時間がプラセボレベルまで増加した。末梢作動性降圧薬ヒドララジンの併用は、DMI誘発のレム睡眠抑制を逆転させなかった。DMIによるα-1ノルアドレナリン作動性のレム睡眠抑制の媒介に関与する脳部位の同定は依然として不明であるが、一般にレム睡眠制御に関与しているとされる扁桃体や海綿体領域を含む前脳構造を考慮する理由がある。

en.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org