記者の方に聞いて「ああそういう理由だったのか」と今日納得したこと。 60分という時間制限は成績と関係しているそうだ。
この資料は、コンテンツ文化研究会が公開した「第1回検討委員会(2019年9月19日開催)提出資料」の9ページ目にある。
スマホ利用が60分を超えると学力テストの平均正答率が落ちている。
ゲームが成績を下落させているデータと解釈したために60分制限ということになったようだ。
考察
ネットの長時間利用、ゲームの長時間利用が成績に影響することは以前から指摘がある(Schmitt & Livingston 2015など)。両者に関連があるのは事実であろう。
ただ、以前のエントリでも書いたが、スマホ利用と成績の間に関連があったとしても、それが因果関係とは限らない。逆の因果、疑似相関などの可能性がある。また、他の説明要因があって、思ったほど説明力が強くないかもしれない。
適切な変数を測定して、多変量解析をする、もしくはパネルデータをとるといった手続きをとれば、スマホ利用時間が成績不振にどのくらい説明力を持っているかを明らかにすることができる。仮に(もちろん仮にだが)、スマホ時間規制を主張するのであれば、スマホ利用を制限したら成績が向上したという科学的なデータが揃って、確証が得られてからでもよかったのではないだろうか。