井出草平の研究ノート

潜在移行分析の解説スライド

ネブラスカ子ども・若者・家族・学校研究センターのJi Hoon Ryooらの解説スライドからら重要そうなところをピックアップ。

http://r2ed.unl.edu/presentations/2012/SRM/033012_RyooWu/033012_RyooWu.pdf

潜在成長モデルとの違い

時間の経過とともに変化するモデリングの区別

連続的な潜在変数の場合

変化: スロープ→潜在(成長)曲線モデル

カテゴリカルな潜在変数の場合

変化:時点間の移動→潜在移行分析

潜在移行分析は、潜在クラスモデルの縦断的拡張である。動的、もしくは変化する潜在変数をモデル化することができる。

3つのパラメータ

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潜在クラス分析にTransition Matrixが加わっている。

分析できるツール

SAS Proc LTA* (http://methodology.psu.edu/)

Free software

Commercial software packages

注:現在ではRではCAT_LVMを使わずLMestパッケージを使うことが多いと思われる。LMestの基本的な使い方はこちらで解説している。

ides.hatenablog.com

このスライドではSAS Proc LTAを用いた分析がされているが、SASを持っていないので、個人的にはあまり参考にはならないが、SASで分析する人には有用だろう。

マルコフモデルの比較

モデル1:Manifestマルコフモデル - 測定誤差がない。もしくは測定が完全である。

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注:Manifestの翻訳が不明。意味はHidden Markov Modelではないということ。

モデル2:潜在マルコフモデル - 尺度は完全ではない。 - 移行行列は、時間点間で等しくなるように固定されている。 - 項目-反応確率も、異なる時間点で等しくなるように固定されている。

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注:スライドでは書いていないので、マルコフモデルの説明があるのが少し分かりにくいが、潜在クラス分析とは、潜在変数と顕在変数の両方がカテゴリカルな離散時間隠れマルコフモデル(discrete-time Hidden Markov Models)のことを意味しているためである。スマイルマークと星の意味はよくわからない。