井出草平の研究ノート

必要充足感need-fulfilmentはゲーム行動と関連し、自尊心と抑うつによって媒介される

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- Matthew Scerri, A. Anderson, V. Stavropoulos, E. Hu, 2019, Need fulfilment and internet gaming disorder: A preliminary integrative model, Addictive Behaviors Reports. DOI:10.1016/j.abrep.2018.100144

欲求充足感とインターネットゲーム障害。統合的モデルの予備的検討
背景 障害のあるゲームを支えるリスク要因をよりよく理解する必要性が一貫して強調されてきた。ゲーミングは、苦痛を和らげるための単純でわかりやすい手段ではあるが、満たされていない心理的ニーズを満たすためにゲーミングに依存することは、問題のある使用を招く可能性がある。自己決定理論は、関係性、能力、自律性という普遍的な3つの心理的欲求の重要性を強調している。満たされていない欲求を解消するためにゲームに参加する動機は、問題を引き起こす可能性がある。目的 本研究では、インターネットゲーム障害(IGD)の行動と欲求充足障害との関連性を、経験した孤独感、抑うつ、自尊心が媒介するかどうかを評価することを目的とした。方法 参加者は、18歳から62歳までの成人149名(男性83名、女性66名)。参加者は、IGD行動、抑うつ、孤独感、自尊心、必要充足感のレベルを評価する一連の自己報告式の質問票を記入した。結果 必要充足感の欠如は、高いIGD行動と関連していた。興味深いことに、この関連は、孤独感ではなく、自尊心と抑うつの報告レベルによって媒介された。結論 今回の調査結果は、必要充足感の欠如とIGD行動の間に心理的苦痛が介在することをさらに実証的に支持するものであった。