- 作者: 奥菜恵
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2008/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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奥菜恵の自伝。いじめに自殺未遂に過食にDV被害などが書いてある。
中学後半になると食べ盛りの時期もあってか、私の体重は一気に増えはじめた。
三度の食事もとり、間食にマヨネーズをたっぷりと塗ったパン、ポテトチップス、チョコレート、ピザ、コーラ……。
今思うとゾッとするような食生活を送っていたのだ。今より恐らく10キロ以上は太っていたと思う。
もちろん痩せたい意志はあった。けれど、食べる衝動を抑えられなかった。抑圧すればするほど、食べではいけないと思えば思うほど、爆発したときの食欲は凄まじかった。当時、あらゆるダイエットにも挑戦したけれど、何を試してもリバウンドを繰り返してあまり意味がなかった。
たぶん過食だろうとは思うが、この記述だけからはわからない。
高校生の頃、いつだったか病院に駆け込んだことがあった。
とにかく悲しくてたまらなくて、何かに取り憑かれたように泣き喚き、混乱し、呼吸がうまくできない状態に陥ったのだ。
そんな状況は、実は初めてのことではなかった。それまでにも2日に一度くらいのペースで、同様の発作に見舞われていたのである。
パニック障害、自律神経失調症、うつ……。
病名など、はっきり言ってどうでもよかった。診断されて病名を告げられたとしてもそれまでのことでしかない。むしろ自覚することで余計に囚われてしまうのが怖かった。薬などに頼ることもしたくなかった。心の問題は少なからず誰にでもあるものだし、それは自分で治すしかないと思っていた。
何かを暴露する内容ではなく、自身の人生とメンタルについて書いてある本。
読み手・聞き手としていつも迷うのは、本人の抱えてきた思いの重さと、このような話はたくさんあるという陳腐さをどのように折り合いをつけて分かっていけば良いのかということ。この本に関してだけではなく、この種の話を聞く聞き手としていつも思うことだが。