井出草平の研究ノート

貝谷久宣「そのほかの病気 摂食障害」


医療法人 和楽会 理事長 貝谷久宣による記述。治療的な記述が多い。
http://www.fuanclinic.com/byouki/a_03.htm


拒食症の記述から

彼女は衰弱し疲労が明らかになっても熱心に運動を続けた。階段があるところは絶対にエレベーターに乗らなかった。誰も彼女が危険な状態まできているとは思わなかった。彼女の主治医はしかしついに入院治療を主張した。病院では十分に監視されていたが彼女はまだなおバスルームで何度も座ったり立ったり、膝の屈伸をして運動をした。彼女は数回入院を繰り返し、また外来で長い間個人精神療法と家族精神療法を受けこの問題は解決した。


女性では生理がなくなり、男性ではインポテンツになる。


家族的背景より

大食症者と無食欲症者とは性格が違っているようである。大食症にかかる人は無食症者よりも衝動的で、アルコールや薬物の乱用が目だつ。無食欲症者は良いこ過ぎる傾向にある。彼らは従順で、自分の感情をコントロールでき、完全主義で、優等生で、そしてこまめに体を動かす。


治療より

最近の研究によれば、一部の無食症患者は低体重の時だけでなく体重を回復してからも過食症患者に比べて体重を保持していくためには30〜50%余分にカロリーをとる必要があるということである。他方、過食症患者が同じ体重を維持していくには同じ年齢性の正常対照者の75%のカロリーでよいこともわかっている。