井出草平の研究ノート

潜在クラス分析の適用例-運動とライフスタイル介入

www.ncbi.nlm.nih.gov

2017年の潜在クラス分析を使った論文。Distal Outcomesも使用されている。

潜在クラス分析

クラス決定のための指標類のグラフ。

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たくさん表記している印象がある。

クラスごとの応答確率の表。

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Distal Outcomesを伴った潜在クラス分析

最近、共変量モデルを用いたLCAのパラメータを推定するための改良された3段階法がいくつかの研究者によって提案され、洗練されてきた(Bolck, Croon, & Hagenaars, 2004; Vermunt, 2010)が、Distal Outcomesを用いたLCAに拡張された(Asparouhov & Muthén, 2014)。この方法の最初のステップでは、カテゴリカル指標のみでLCAモデルを適合させる。第2ステップでは、LCAモデルからの最大事後確率に基づいて、最も可能性の高いクラスメンバーシップが参加者に割り当てられる。その間に、分類の不確かさ率(すなわち、測定誤差)が計算される。最後のステップでは、ステップ2で得られた誤分類率を考慮しながら、最も可能性の高いクラス変数をDistal Outcomesの予測変数として分析する。このアプローチはMplus 7(Muthén & Muthén, 2012)で実装されており、本研究ではDistal Outcomesモデルを用いたLCAで採用した手法である。

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左列は介入アウトカムである。

要旨

アメリカンインディアンおよびアラスカ先住民の糖尿病予防のための生活習慣介入プログラムである Special Diabetes Program for Indians Diabetes Prevention Program のデータを分析した。3つの時点で報告された定期的な運動に対するSoC(運動に対する変化段階)の縦断的パターンを同定するために,潜在クラス分析(LCA)を実施した.また、distal outcomesを用いたLCAを実施し、潜在クラスメンバーシップと介入後の行動変化との関連を調査した。3つの潜在クラスが同定された。行動前クラス、移行クラス、維持クラスである。段階が進行した移行クラスでは、女性参加者において、ベースライン後の両時点で身体活動と体重のアウトカムの改善が最も大きかった。また、男性参加者では体重転帰の改善が最も大きかった。さらに、行動前クラスは他の2つのクラスに比べて、初期に達成した改善の減衰が大きかった。これらの知見は、今後の生活習慣介入において、参加者に行動変容への準備を修正する動機付けを与えることの重要性を示唆している。