井出草平の研究ノート

ゲーム障害と社交不安の関連性を緩和するのは、交際ステータスと教育レベル

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    1. Wang, C. Cheng, 2021,New perspectives on the prevalence and associated factors of gaming disorder in Hong Kong community adults: A generational approach, Computers in Human Behavior. 114. https://doi.org/10.1016/j.chb.2020.106574

香港の社会人におけるゲーム障害の有病率と関連因子に関する新たな視点。世代別アプローチ
要旨 ゲーム障害(GD)は、若年層のゲーマーを対象に広く検討されているが、より幅広い世代の成人を対象にした研究はまだ行われていない。本研究では、ミレニアル世代、ジェネレーションX世代、ベビーブーマーという香港の3世代の成人におけるゲーム障害の有病率と関連因子を詳細に分析しました。さらに、GDと3つのメンタルヘルス指標(社会不安、孤独感、抑うつ)との関連性を調べ、4つの人口統計学的変数(性別、交際ステータス、教育レベル、世代)がこれらの関連性に果たす調整の役割を調べました。香港の成人847名(男性39%、平均年齢=49.9歳、年齢層=18~73歳)を対象に、コミュニティサンプルを用いて調査を行った。GDの推定有病率は、ゲーマーのサンプルで8.3%、全体のサンプルで2.6%であり、GD群と非GD群の間には、世代や関係性の状況に有意な差が見られた。3つのメンタルヘルス指標はすべてGDと正の相関があり、社交不安とGDの関連性を緩和するのは、交際ステータスと教育レベルであることがわった。これらの結果から、GDはミレニアル世代のゲーマーだけでなく、ジェネレーションXのような高齢のゲーマーにとっても精神衛生上の問題であることが明らかになった