井出草平の研究ノート

日本のソシャゲ研究。期間限定ガチャを経験すると半年後に支出が多くなる。ギャンブルを好むプレイヤーは支出がさらに多くなる。

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  • Akiko Shibuya, Mizuha Teramoto, Akiyo Shoun, K. Akiyama, 2019, Long-Term Effects of In-Game Purchases and Event Game Mechanics on Young Mobile Social Game Players in Japan, Simulation & Gaming. 50(1). DOI:10.1177/1046878118819677

ゲーム内課金とイベントゲームの仕組みが日本の若年層ソーシャルゲームプレイヤーに与える長期的な影響
背景 モバイルゲーム市場は世界的に急成長しており、特に日本では急速に拡大しています。モバイルゲームは、ゲーム内での追加購入を伴う無料プレイのビジネスモデルを採用していることが多いため、モバイルゲームの金銭的な仕組みやイベントの仕組みの一部は、日本では物議を醸している。目的 本研究では、日本のティーンエイジャーおよび若年層において、ゲームメカニズムの金銭的特徴およびイベント的特徴が、病的ゲーミング、週間エクスポージャーおよび月間支出に及ぼす長期的影響を調査した。方法 2013年11月と2014年5月の2回の調査に、合計948名のティーンエイジャーと若年成人が参加した。病的なゲーム、毎週のゲーム暴露、毎月の支出、ギャンブルへの嗜好を測定した。参加者はプレイしたゲームを3つまで挙げ、その金銭やイベントのメカニックを内容分析で分析した。内容分析と縦断的調査を組み合わせて、各メカニクスへの曝露度を算出した。結果 期間限定のガチャ(仮想の抽選機)に多く触れたプレイヤーは、半年後にお金を多く使う傾向にあった。しかし、通常のガチャの量が少ないものに触れたプレイヤーは、ギャンブルを好むプレイヤーの中では、後にもっと多くのお金を使う可能性が高かった。病的賭博自体への金銭的影響は見られなかった。結論 本研究は、一部のゲームメカニクスが特定のプレイヤーに時間とお金の過剰な使用を引き起こす可能性があることを示している。