井出草平の研究ノート

暴力的なビデオゲームを好むことが、不安、自尊心、攻撃性のレベルを高める原因にはならない

www.igi-global.com

    1. Cabras, Maria Laura Cubadda, C. Sechi, 2019, Relationships Among Violent and Non-Violent Video Games, Anxiety, Self-Esteem, and Aggression in Female and Male Gamers, J. Gaming Comput. Mediat. Simulations.Volume: 11,Issue: 3, Article: 2, Pages: 23. DOI:10.4018/ijgcms.2019070102

女性および男性ゲーマーにおける暴力的および非暴力的ビデオゲームと不安、自尊心、攻撃性との関係 概要 本研究では、暴力的なビデオゲームのプレイヤーと非暴力的なビデオゲームのプレイヤーの間の不安、自尊心、攻撃性のレベルの違いと、性別や年齢との関連性を調べた。本研究では、851人のビデオゲーマーから得た調査データを用いている。調査対象者は、男性が61%、女性が39%だった。参加者の年齢は、18歳から45歳までだった。参加者には、人口統計、ビデオゲームの習慣に関するアンケート、ローゼンバーグの自尊心尺度、状態不安インベントリー(STAI-S)、Buss-Perry Aggression Questionnaire(BPAQ)を含む匿名のアンケートが実施された。その結果、男性と女性、若年層と高齢層の間に有意な差があることがわかった。暴力的なビデオゲームへの曝露と攻撃性のレベルとの間には正の関係があるとする研究が大半であるにもかかわらず、今回の結果は、暴力的でないビデオゲームよりも暴力的なビデオゲームを好むこと自体が、不安、自尊心、攻撃性のレベルを高める原因にはならないことを示唆している。