井出草平の研究ノート

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

非言語性学習障害症候群の特徴

非言語性学習障害は概してアスペルガー症候群に似た特徴を持っている印象を持つが、アスペルガー症候群の臨床像とは異なっているのは音韻処理障害においてである。視空間認知スキルと身振りによるコミュニケーションには問題があるが、言語能力は比較的保持…

広汎性発達障害や自閉症スペクトラムは増えてはいない

広汎性発達障害と自閉症スペクトラムについて、世界各地で行われている疫学調査を年次を追う形でグラフ化*1。年を追うごとに、広汎性発達障害が増えている(支援制度が整ったのでどんどん発見されるようになった)ということが言われることがあるので、年次…

福岡・小1殺害 「育児に悩んでいた」

福岡・小1殺害は母親が犯人だったが、動機は「育児に悩んでいた」。そして、殺された富石弘輝くんは発達障害であったようだ。 弘輝君は軽度の発達障害があったとされ、小学校では特別支援学級に通っていた。同級生の母親は入学式の後のクラス懇談会で、あい…

山崎晃資「高機能広汎性発達障害の診断マニュアルと精神医学的併存症に関する研究」

広汎性発達障害と反社会的行動の科研報告書から。 山崎晃資「高機能広汎性発達障害の診断マニュアルと精神医学的併存症に関する研究」『高機能広汎性発達障害にみられる反社会的行動の成員の解明と社会支援システムの構築に関する研究』平成17年度 研究報…

KHJのひきこもり160万人説の計算式には間違いが2つある

ひきこもりの「推計値」として全国引きこもりKHJ親の会は160万人という数字をホームページに掲載している。 引きこもり数(推計)160万人(全国引きこもりKHJ親の会) この数字は明確に間違えた数値と根拠なく書かれている数値から出されている。KHJの示…

精神保健福祉センター相談件数はひきこもりが最も多い

和歌山市の精神保健センター平成18年度の所報より。 分類の基準はわからないが、精神疾患、神経症が別の項目としてあるので、明らかに精神障害によるひきこもり状態だというものは除かれている傾向にあると思われる。患者が訴える症状とは違って、表題をみ…

国会議事録でのアスペルガー症候群の取り扱い

整理はまたのちほど。

自閉症は左脳、アスペルガー症候群は右脳の障害で連続的なものではない

自閉症は左脳の機能不全、アスペルガー症候群は右脳の機能不全。神経行動学上では同じ障害ではないと言われているようだ。このことは、自閉症からアスペルガー症候群などへ連続的に障害がつながると考える自閉症スペクトラムの考え方への反証になる。自閉症…

ひきこもり8分類

KHJのホームページより。ひきこもりを8分類してみたらしい。リンク先の下部。 (2): 病理性の有無、病症種、障害の重さ別にみる 識別対応の有無 「ひきこもり」という言葉は病症名ではなく、精神医学的下部診断が可能で すが、その実態は不登校・「ひき…