井出草平の研究ノート

ER VIII


ER VIIIに摂食障害リストカットの人を強制入院させるシーンがあった。

意識が回復したグレースはカーターとスーザンに脱水症状だ、朝にコーヒーとドーナツを食べたきり何も食べていない、と言います。 カーターが腕の傷跡のことを尋ねるとグレースは家族とうまくいかなくて以前やっていた、摂食障害だったと言います。カーターが診察を受けたことがあるのかと聞くとあると答え、スーザンが今も切るくせは治ってないの?と聞くと、今はもうやっていないと答えます。 しかし、カーターとスーザンはグレースの病状の原因がこれではないかと疑い、スーザンがスカートをめくると腿に新しい切り傷が沢山ありました。 グレースは怒って出て行こうとしますが、スーザンが押しとどめ、2人は精神科医にかかるように勧めます。 しかしグレースは抵抗を続けるので、通りかかったギャラントにスーザンは鎮痛剤を打つように指示します。 グレースは最後まで抵抗し、泣きながら床に崩れ落ちたところをカーターとスーザンに抑えられて、ギャラントが注射を打ちます。
http://homepage3.nifty.com/yumiko2004/er/er8/ER8-7.html


緊急性を伴わない状態で、治療拒否している患者に鎮静剤を打って強制入院させるのは問題だ。それで治るならまだしも精神科に行っても即効性のある治療はない。患者の抵抗を無視して治療を強要するようでは、精神科で心理療法を行ったり、自助グループを紹介することも難しいと予測される。助けたい一心でで鎮静剤を打って強制入院させたのだろうが、その行判断は反治療的である。