井出草平の研究ノート

ゲーム障害と子宮内の男性ホルモンの暴露は関係があるのか

どうでもよい研究のような気もするが、読んだのでメモ。

journals.plos.org

2D:4D比

人差し指が薬指よりも短い場合2D:4D比が小さいとされ、子宮内でのテストステロン曝露量が高いことを示しているらしい。

2D:4D比は子宮内でのアンドロゲンやテストステロンの曝露に影響されることが指摘され、したがって、出生前アンドロゲン曝露量の大まかな指標となる(2D:4D比が低いほど出生前アンドロゲン曝露量が高い)ことが示唆される。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%AF%94

尺度

CSAS-II(Video Game Dependency Scale–II)で依存的なゲーム利用を計測。

結果

依存行動を有するグループ(n = 27)は問題のないゲーム利用をするグループ(n = 27)と比較して、2D:4Dの平均値が低いことがわかった。ここから、出生前のアンドロゲンへの曝露、つまり、男性ホルモンの影響が示唆される。

考察

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対照群の平均は0.979、依存群の平均は0.966でp = 0.095で有意ということのようだ。

この分野の研究を知らないので相場感が分からないが、54名の参加者がいて、10%水準しか満たさないのは、個人的な感覚で言えば、関連があると言えるほどのエビデンスではないように思う。加えて、2D:4D比と生前の男性ホルモンの関連も示唆にとどまっているようなので、関連性は弱そうに思えるのだが、どうなのだろうか。